娘は循環器内科医です。 学会ではPDE5阻害薬の発表もしています。
そのことはFacebookで娘の同僚が撮影した発表風景(に娘がタグ付けされた)から知っただけで、 内容を聞いても娘はあまり教えてくれません。
私がここに書くことも歓迎されません。 誉めると親バカだと思われるでしょう。
でも逆に揚げ足取りすると東大の医者が慶応の仕事を貶している、 と、木村明と木村舞の血縁関係を知らない読者は思うかもしれないし。
なぜバイアグラが肺高血圧に効くのか、 尋ねたらこの論文を勧めてくれました。 答えるのが面倒だからでしょうが。
ファイザーの社員が狭心症の薬、 ニトロ製剤を改良しようとして見つかった薬がバイアグラ。
ニトロ製剤の代表格ニトログリセリンはC3H5(ONO2)3 で、 体内で代謝されるとNO(一酸化窒素)になります。
1992年ごろにバイアグラの治験を始めたら、 狭心症の薬としてはあまり良い成績が出ず、 しかもニトロ製剤と併用すると危険ということで行き詰った。
しかし、治験中にペニスが勃起するという副作用が出て、 バイアグラはED治療薬として開発されることになった。
PDE5阻害薬に私が関心を持つのは、 肺高血圧症の臨床研究をしている娘との会話のため、 というのもあるんです。
登場人物を覚えさえすれば、 冠動脈・陰茎海綿体・肺血管・前立腺が緩むストーリーも、 選手の名前を覚えた後のサッカー観戦ぐらい面白いです。
一酸化窒素がサイクリックGMPを作り、カルシウム濃度を下げて平滑筋が弛緩する。 サイクリックGMPが分解されるのを阻止するのがPDE5阻害剤。
カルシウムチャネルが開いているとカルシウムが流れ込む。 カルシウムチャネル阻害薬はカルシウムが流れ込むのを阻止して平滑筋を弛緩させる薬。
ニトロ製剤は一酸化窒素の材料。 PDE5阻害剤と併用すると血圧が下がり過ぎて危険。
2014年6月10日