前立腺生検とは


  直腸指診、前立腺特異抗原、経直腸的超音波検査により、前立腺がんの疑いは診断できますが、確定診断となりますと、針生検にて前立腺の組織を採取し、顕微鏡で検査する組織診断をしなければいけません。
木村泌尿器皮膚科では、日帰りで前立腺針生検を仙骨ブロック麻酔下に行っています。生検部位は外腺を中心とした系統的6箇所生検です。

写真は生検標本です。内腺の生検は血尿を伴う可能性が高くなること、内腺だけからがんが見つかる例はわずかであること、本数を増やすほど直腸出血の可能性が増えることから、外腺の6箇所生検にとどめています。
月・火・金の午後2時から行っています。5分程度かかります。検査後、排尿していただき、尿の性状を観察した上で、帰宅していただいております。 数日後に血尿が出ることがありますが、自然におさまりますので飲水量を増やして様子を見てください。安静にする必要はありません。 翌日の排便時に便に血液が付着していますが、検査中に出血したものが直腸内に残っていただけですので心配ありません。 前立腺は精液を作っているところであり、そこに針を刺したわけですから、必ず精液に血が混ざります。トマトジュースのような鮮やかな赤色から、コーヒーのような茶色に変わり、いずれ白色にもどります。セックスを制限する必要はありません。
結果は1週間後にお知らせする方法を採っています。
2005年4月から2006年3月までの1年間に24例の前立腺針生検を日帰りで行いました。
PSA値
<10
10< <20
20< <50
>50
件数
陽性例
陽性率
56%
29%
67%
100%
PSAが10未満では56%に癌が見つかったのに、10から20の間では29%しか癌が見つかっていないのは、PSAが10以上の人は原則全例に針生検を進めたのに対し、PSAが10未満では、 超音波検査での前立腺体積をもとに 癌らしいかどうかを計算し、その結果に基づいて針生検を行う人を選別したためと思われます。 この成績を、泌尿器科学会東部総会で発表しました。

追伸:2005年4月から2009年3月の4年間に150例の前立腺針生検を行い70人の方が前立腺癌と判明しました。
PSA値別の集計等は行っていないため、上の表のような集計はできていません。

緊急入院が必要になる合併症について

2008年11月、134例目の患者さんは生検後の直腸出血が止まらず、近くの大学病院に搬送、入院となりました。
当院は日帰り生検を謳っておりますが、直腸出血が起こった場合は、近隣の病院への入院が必要になることがあります。
日帰りというのが魅力で遠方の方が、当院での前立腺生検を希望して来られます。 遠方の方は、都筑区の病院に緊急入院する可能性もわずかですがあることをご考慮の上、どこで検査を受けるかお決め下さい。

無床診療所での日帰り前立腺生検1年間の成績

【目的】当院は2005年4月に開業した。2006年3月までに当院で実施した日帰り前 立腺 生検につき、成績を集計した。
【方法】1年間に24例に生検を実施、直近のPSA 値 は6.75から122.6で、年齢は37歳から82歳であった。抗生物質を点滴しながら、仙 骨 ブロック下に行った。下剤の処方・浣腸・直腸粘膜の消毒は行わなかった。経直 腸的 超音波プローブを使用し、横断像を表示しながらperipheral zoneを狙って、経直 腸 的に6箇所生検した。生検針はバード社のモノプティ18G ストローク幅22mmを使用 し た。
【結果】検査中の痛みは軽度で痛みのために目的の本数を採取せず中止 した 症例はなかった。生検直後の直腸診にて直腸内出血を全例に、検尿で軽度の血尿 をほ ぼ全例に認めたが、全例30分後に徒歩にて帰宅し、帰宅後のトラブルはなかった 。24 例中13例に癌が発見された。PSA値が10未満の9例中5例に癌が発見された。
【 考 察】peripheral zoneを狙った6箇所生検は高度の血尿を起こすことはなく、無床 診療 所でも安全に行える手技であった。Transition zoneを生検しなくても、癌検出率 も 高かった。
前立腺癌の診断について

[戻る]