腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。
2018年7月6日(金)は北部病院内科連携勉強会に出席。
2型糖尿病の包括的治療選択についての講演を聞いてきました。
第1選択薬はメトホルミン。
その次に使う薬は、ほとんどの薬が横並び。
血糖値の連続測定、それを役立てて、インスリンや内服薬の服薬を決めたり、食事指導をしたりする話が、私には目新しかったです。
数日間連続して測ってみると、毎日同じ曲線を描くわけではないので、その解析が大変みたいでした。
ホルター心電図を誰が読むのか、カプセル内視鏡の連続動画を誰が読影するのか、に共通した悩み。
長時間の記録の解析には医者も長時間を要します。
最近の国際学会で、血糖値の連続モニターをしながらインスリン注射量も自動的に決める装置の開発の講演があったそうで、その内容の紹介もありました。
自動運転車みたいな感じですが、事故が起こった時の責任を誰が取るのかも今度議論の対象になるかも、と感じました。
2018年7月8日
1月15日(月)は北部病院内科連携勉強会。
すっかり忘れていて、出席の返事も出していませんが、
『 SGLT2阻害薬による身体の変化 』というタイトルが面白そうなので参加しました。
尿細管での糖の再吸収を抑えるなんて、人間の食べたいという欲望を満たすための、非生理的な薬。
きっと体に悪いという話が聞けると思ったので。
講師は薬理学教授でしたし。
でも予想に反して、SGLT2阻害剤は心不全も腎不全も予防できる薬だというお話でした。
sodium(ナトリウム)の吸収も抑えるから、心不全を予防できるのだそうです。
腎不全も予防できる機序については複雑なお話を聴きました。
定説は尿細管に糖がたくさん流れ込むと、糸球体輸入動脈が絞まって、糸球体濾過圧が下がるから、というもの。
それを演者のグループは動物実験で証明しようとしましたが、ネガティヴデータ。
演者は近位尿細管の寿命を延ばす作用が、この薬にはあるのではないかと考えるようになっている、というお話でした。
塩分や糖分を常には摂取できないご先祖様の頃、
塩分がなくて循環血液量が減っても血圧を維持するために作られた、レニン・アンジオテンシン系。
塩分取りすぎの現代では高血圧の原因に。
同様に、糖分と塩分を尿に漏らさないためのSGLTも飽食の時代では、寿命を縮める不要なシステムに。
食べられる時に満腹まで食べておく、という習性も今は必要ない、
ご先祖様から引き継いだ、負の遺産なのでしょう。
2018年1月20日