木村泌尿器皮膚科

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組織検査において、６個所から組織を採取

私の父は、６１才です。


以前から、（もう４年くらいまえ？）前立腺が肥大はしてたのですが、特に、人間ドック などでは、再検査の必要があるといわれた事はなかったのですが、今回はじめて再検 査となり 詳しく調べたところ、ＰＳＡの値が３４と高く、癌の疑いがあるという事で、触診や 組織検査 超音波検査などをしたのです。（前立腺はかなり肥大してるようです）

ですが、結果は何でもないという事で、１ヶ月後に血液検査をしてＰＳＡの値を見る という事になりました。

でも、ＰＳＡの値がそんなに高いのに、何でもな いと 本当に信じて安心して良いものか不安でたまりません。

それに、その組織検査において、６個所から組織を採取したのですが、それで、完全 に 癌がないと、わかるのかどうかも、教えてほしいです。

それと、超音波の検査の時に、影があるような事をいわれたようです。

影があるという事は、癌という事なんではないでしょうか？

米粒大のものが、上の方にあるという事をいわれましたが、それは、 前立腺の皮の部分より少し内側にあるようです。

それは、大丈夫なのでしょうか？ 病院では、その米粒大のものをお腹を切ってまで、調べるのは次の段階なのでしょう か？

質問攻めですみません。

でも、頼れる人がいなくて、毎日心配です。

先生のＨＰは、いろいろな方の相談が寄せられていて、その相談に対するコメントが とても わかりやすく、頼りにしています。 どうか、よろしくお願いします。

以下は学会報告からの引用です。

「検診施設でPSA高値を指摘された患者から、よく受ける質問に、自分が前立腺癌である可能性は何%か、というのが多い。 そこでPSADを元に、確率を算出することを試みた。 使用した関数はロジスティック関数で、λが-∞の時、pは0、λが＋∞の時、pは1、λが0の時、pは0.5となる。λはPSADの一次関数で、係数は判別分析により求めた。 係数9.9は、PSADの分布が、癌と非癌とで、どれくらい離れているかを反映した数字で、切片- 4.8は、癌と非癌との境界線を反映した数字である。」
お父さんの前立腺体積が70mlだとすると癌の確率は50%、体積が40mlだとすると確率は97%、体積が100mlだとすると確率は19%となります。 前立腺体積･PSAによる癌の確率の早見表も参考にして下さい。

　 　 左の図は、超音波で見ながら、前立腺の針生検を行う方法を示したものです。


実際の超音波写真を右に示します。等間隔に左右３本ずつ刺して、癌がなかったということは、直径1cm以上の癌はなさそうだ 、ということを証明したにすぎません。前立腺がかなり大きい場合は、６本の生検では直径1cm以上の癌も見落とす可能性も 確かにあります。しかし、何本刺しても可能性は０にはなりませんし、小さい癌なら、数ヶ月待っても手遅れには ならないだろうと考えて、数ヶ月はPSAを測りながら経過観察します。

前立腺癌の多くは尿道から離れた所（外腺）から発生するため、前立腺の針生検は外腺をねらってやることが 多いのです。

特に針を肛門から刺す方法を採用している場合は、内腺（直腸から離れているので）を刺すのは困難、という事情もあって、 内腺の中に癌がある可能性が否定しきれていないのだと思います。

ＭＲＩではどこに癌があるかはわかりません（ＭＲＩは体内の水素の状態を画像化するもので、１９８６年、私が東芝病院に いたころ東芝も開発に力を入れていて期待したのですが、摘出した標本をカットして肉眼でみてわかるような正常と異常の境目はＭＲＩで表示できるのですが、顕微鏡でしかわからないような 微妙な変化はＭＲＩでもわかりませんでした）。



前立腺肥大症の症状があれば、その治療も兼ねて内腺を切除する手術を行い、その内腺を検査にまわして ガン細胞がないか調べます。

お父さんの前立腺体積（ＭＲＩからでも計算できます）はいくらだったか聞いてみましたか？

前立腺体積･PSAによる癌の確率の早見表にはPSAが１１までしか書いてありません。

PSAが４１のときは前立腺体積が50ml以下なら癌の確率はほぼ100%、80mlなら50%、 100mlなら30%になります。

こないだお話しましたとおり、私の父は１６日に前立腺の外線と内線から組織を採取して検査をする手術 をしました。

その結果は、外線からは見つからず、左側の内線に癌が発見されました。

内線からは、大体４等分した場所から４つ組織を採取して、左側の内線の２ヵ所から癌が出ました。

検査をしています病院の先生の話によると、癌の性質は中ぐらいのものだと話していたので、 中分化？ではないかと勝手に思っています。

その後、骨やリンパに転移がないか検査をしました。


（多分ＭＲＩやＣＴ）その結果は転移は見られない ということでしたが、やはり、お腹を切ってみないと分からない部分もあるのですか？

そういうような話をされたようです。

今後は内分泌で、男性ホルモンを押さえて、１１月に全摘の手術を行う事になっています。

転移の事についていくつか質問があるのですが、切る前の状態で、どのくらいの確率で他に転移してないか 分かるのですか？

切ってみなければ分からないといわれても、なんとなく納得行かないのです。

確かに、先生のＨＰでもありますように、お腹を切ってみたら、ステージＢがＤだったとか、そういう事は ありえるというのは分かります。

ですが、私の父の場合、１１月にもし全摘の手術をして、他にも転移してたら、全摘しても 意味がないですよね？

でも転移も同じく切ってみなければ分からないのですか？

ＣＴやＭＲＩではどの位迄分かるのですか？

私としては、結局ＣＴやＭＲＩでは、私の父の内線にある癌を見つけられずに、何ヵ月も経ってしまいました。

ＭＲＩやＣＴは、何か役にたっているのですか？

２センチ位の大きさにならなければ見つけられないのでは、遅いような気がします。

他に見つける手段はないのですか？これは仕方のない事なのですか？

素人の見解で、生意気ですみません。

でも、よく分からないので教えて頂ければうれしいです。

お暇な時にでも是非、コメントをお願いします。