日本泌尿器科学会が新しい専門医制度にも対応した学会員向けの総合的な教育関連サイトJUA academyを立ち上げました。
JUA WEBINAR第4シリーズは「男性下部尿路症状・前立腺肥大症(Male LUTS/BPH)」。
その第4回は「手術ビデオからMale LUTS/BPHの手術手技を学ぶ」。
12月2日日曜日の朝に視聴。
TUR-P、HoLEP、PVPのエクスパートによる手術ビデオの供覧がメインでした。
HoLEPの講師は都筑区泌尿器科医会でも講演いただいた先生。
HoLEPの術中ビデオではわからないことに、
術者が剥離中の前立腺内腺を硬性鏡のシースでどの方向にどれくらいの力で押しているのか、
があります。
ビデオだけ見ていると、内腺と外腺がいとも簡単に剥がれていくんですね。
HoLEPは良い手術方法ですが、それを教えるのは手術室でのマンツーマンです。
ラーニングカーブが長いため、なかなかお弟子さんが育ちません。
大学の関連病院の中に、ホルミニウムレーザーを備えている所は僅か。
1~2年でローテートしてしまえば、習得途中で装置のない病院に転勤してしまうことに。
この辺が、HoLEPの講演会と言うと同じ先生が講師を務める原因なのかも、と思いました。
TUR-Pは電気メスを使うため、5%ブドウ糖(原理的な説明で、ちょっとでたらめ)を流しながら手術します。
そのために、術後低ナトリウム血症になるという副作用があります。
生食を還流しながら切除できるようにしたのが、TURis(TUR in saline)。
電気メスから発生した電流を内視鏡の外套で回収するので、生食に放電しないのです。
外套を電流が流れるために、術後尿道狭窄という合併症が多い、というのが、勉強になりました。
抗凝固剤を中止しなくてよい、
砕石位(股を広げる体位)が無理な人にも可能、
というメリットがあり、
手術適応が高齢者になるほど、PVPが増えそうな感じがしました。
HoLEPのトップランナーだった先生が数年前に開業。
そのクリニックのホームページではCVP
(Contact laser Vaporaizention of the Prostate 接触式レーザー前立腺蒸散術)
のことを「HoLEP以上に安全な治療」と紹介されています。
2018年12月2日