泌尿器科医・木村明の日記


ドクターショッピングする患者さん


先週水曜の皮膚科勉強会で、アレジオンの製薬会社が作っているパンフレットに分りやすい説明が出ているのを見つけました。

私がわかりやすく書いたつもりの、湿疹じんま疹の説明より数段分りやすいものです。


このパンフレットをその製薬メーカーさんから頂くことにしました。

そうなると、私のうろでるプレスを患者さんに渡す機会が減ってしまうんですが、シルバーセイントの実力はこの程度でしょう。

あの日の懇親会で、皮膚科医会はもっと会合を開こう、という話が出たのは、皆が情報を共有したほうがよいからです。

センター南だけでも5つの皮膚科があり、よくならないと、患者さんはドクターショッピングします。

「あの先生のところでよくならなかったが、ここでの治療はよく効いた。」と言ってくださる患者さんに出くわすと、「俺って結構名医かも。」なんて有頂天になってしまいます。

一方私が処方した軟膏ではちっとも良くならなかった患者さんは、北部病院に行きたいときは「紹介状を書いてくれ。」とお出でになりますが(大学病院は紹介状がないと見てもらえないので)、

他の開業医に行くときには、私には黙って行かれるわけです。その患者さんは、そっちの医者で、「あの先生のところでよくならなかったが、ここでの治療はよく効いた。」と言っておられるかもしれません。

通院しなくなった患者さんの事は、予約制にしておかない限り、把握できません。

開業して一人で医者をやっていると、少しずつ標準治療から外れてきます。

ガイドラインに載っている治療法だけで全員を治癒させる事はできませんから、

エビデンスがないとされる漢方薬などに、積極的に取り組む医者も出てきますし、

アトピー患者さんで脱ステロイドをやりたい、という患者さんの要望に応える体制を作る医者も出てきます。

その治療が奏効すれば患者さんは通い続けてくださり、悪化した人は別のクリニックに去って行きます。

そうして、その治療法が効いた患者さんだけが周りに残ると、その医者はその治療法が万能だと信じてしまうかもしれません。

なので、同じ科を標榜する医者は定期的に会って、いろんな雑談をすべきだと思います。