泌尿器科医・木村明の日記

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波医学会専門医。

尿意の神経は痛覚神経


尿意を感じる神経はAδ線維とC線維。

膀胱壁での尿意を感じる神経はAδ線維とC線維。

両方とも痛覚神経です。

痛覚神経のAδ線維とC線維を強力にブロックするのはオピオイド(麻薬)。

次の過活動膀胱治療薬のトレンドはオピオイドだそうです。

膀胱に尿がたまるのに従い、膀胱粘膜の細胞は横に引っ張られます。 引っ張られた粘膜細胞はコリンを分泌します。

コリンが知覚神経c線維を刺激して尿意を感じます。 抗コリン剤は知覚神経の興奮を抑えていることが実験で明らかになってきました。

膀胱は蓄尿期にも微小な痙攣を起こすことがあります。この痙攣は知覚神経Aδ線維を刺激します。

β作動薬はAδ線維の興奮を抑制することが明らかになってきていました。

ザルティアはAδ線維とC線維の両方を抑制する、という話は、ザルティアWEBカンファで聞きました。

このグループの口演を金沢で聞きました。ユリーフはAδ線維を抑制する、との動物実験の結果。

一方、別の大学では、ユリーフはC線維を抑制する、と報告しています。

複雑です。

2015年4月27日