過活動膀胱と夜間頻尿@横浜ベイシェラトン
昨日もまたまた横浜ベイシェラトンで
過活動膀胱勉強会。座長を都筑区の大学病院教授が勤めるので、行ってきました。ほとんどいつもと同じ話です。ですから、いつもと違う(パンフレットには書けない)本音がぽろっと出るとそこだけ印象に残ります。「過活動膀胱という病名を流行らせたのは間違いなく〇〇〇〇〇(昨日の会の主催者)」、「〇〇〇〇〇〇〇(その会社の製品)は効果が弱いから使いやすい、いい薬です」。ちょっと専門的な話になります。蓄尿期に膀胱が不随意収縮し強い尿意を感じる状態を以前は
不安定膀胱(unstable bladder)と言い、この診断には膀胱内圧測定が必要でした。膀胱内圧測定は結構煩雑な検査のため、症状だけから診断してもよい過活動膀胱(over active bladder)を提唱する医者が現れました。この症状名が病名として有名になった時期と、〇〇〇〇〇〇〇が過活動膀胱治療薬として欧米で発売された時期とが一致するのです。
4月の学会でも別の先生が「
過活動膀胱という病名を仕掛けたのは、外資の製薬メーカーです。膀胱内圧測定が不要になったかわり、尿意を訴えない認知症の患者さんの尿失禁は過活動膀胱ではなくなりますが、彼らにとって、魅力的な市場ではなかったのでしょう。こういう話は製薬メーカーが絡んだ勉強会ではしゃべれないのですが」といっておられましたが、昨日の講師の先生(ウロHACKS)は〇〇〇〇〇主催の会で断言してくださいました。症状だけから病名をつけて薬を処方、というのは、膀胱内圧測定など神経学的な検査の権威から見れば、製薬メーカーに乗せられすぎと思われるのでしょう。
真面目な話題のついでに、
ちょっと前の会で、「アメリカのあるグループは、男性尿路症状(排尿困難)とEDを併せ持つ人を男性骨盤症状(male pelvic symptom)と命名し、アルファーブロッカー(ハルナールのような薬)とED薬(バイアグラのような薬)の合剤を投与しよう、と考え始めている。」という話も聞きました。
別の会では、「外資系製薬メーカーは、厚生労働省の天下りは受けない。今は日本の後発品メーカーが天下りの受け皿。だから、厚生労働省は後発品の普及に力を入れているし、後発品の品質管理の基準が欧米より甘い。」という話も聞きました。
いずれも、1時間の講演の中に、1分ぐらい登場するだけの話題ですが、製薬メーカーが持ってくるパンフレットには決して書かれることない、聞きに行かなければ聞けない内容です。
タクシーで新横浜元石川線を通って帰宅しましたが、新横浜元石川線は3車線で車の交通量は多く、両側にはお店がずらっと並んでいます。この通りから
数十メートル入っただけで田園風景になるとは、見たことがない人は想像できないでしょうね。
2007年6月27日
KANAGAWA Urology Conference
風雲!OAB治療 ~尿道の役割を再考する~。
平成31年2月1日(金)はインターコンチネンタルホテルで、OAB講演会。
講師はこの時座長を務めてくれた医局の後輩。
「風雲!OAB治療 ~尿道の役割を再考する~」と題する講演。
歳とともに筋力は低下しますよね。
歳をとって過活動になるって変でしょう?
では、何で過活動膀胱という病名が出来たのか?
それは抗コリン剤を開発したメーカーが仕組んだのではないか?
ここでスライドでチコちゃんが登場し、
おしっこが漏れるのは、膀胱が過活動なのではなくて、
尿道が低活動なため~。
抗コリン剤のメーカーが協賛する勉強会だと決して聞けない内容で面白かったです。
2019年2月2日