木村泌尿器皮膚科

トイレが近い! [大丈夫ですか、過活動膀胱]
メトロガイド10月号,p32,2007.


 最近やけにトレイが近くなった、トイレが我慢できなくなった…
という症状を気になりながらも放置しているという方はいませんか?
これらのトラブルの原因の1つとして、過活動膀胱が考えられます。 日本では約810万人もが悩んでいるという尿の一般的な病気です。
心当たりがある方、ご心配な方は一度チェックしてみましょう。


1、以前とくらべトイレに行く回数が増えた
2、急に尿意をもよおしたら、我慢できない時がある
3、夜寝てから朝までに1回以上トイレで目がさめる
4、残尿感があったり、尿もれがおきたり尿障害を感じる
5、尿が濁っていて、おしっこをする時に痛む
6、尿がたまってくると、下腹部が痛い
<判定結果> 
1~3のうち2を含む2項目以上にチェックがあれば、 過活動膀胱の疑いが強くあります。
5は細菌性膀胱炎、6は間質性膀胱炎の疑いがあります。


<Dr.木村の初診所見>
膀胱には、尿をためる‘畜尿’という役目と、 たまった尿を全部出し切る‘排尿‘という役目があります。
排尿時には膀胱壁の筋肉は収縮しますが、畜尿期には収縮しません。
しかし、尿が少したまった段階で、大脳の命令を聞かずに、 膀胱が勝手に収縮してしまうのが、過活動膀胱と考えられています。
膀胱内の圧が突然上昇するので、対策としては尿が漏れないように、 意識的に尿道を締めなければなりません。
締める力が弱ければ、もらしてしまうことになります。
膀胱が勝手に収縮する病気には、脳出血やパーキンソン病のような神経の病気、 前立腺肥大症など尿路閉塞のために膀胱が過敏になっている場合などがあります。
チェック項目4にもチェックされた方は神経の病気、 前立腺肥大症が原因の過活動膀胱かも知れません。

5は大腸菌などが尿道から侵入して起きる病気;細菌性膀胱炎、

6は粘膜と筋肉のあいだの間質と呼ばれる部分が 原因不明の炎症を起こして伸びが悪くなる間質性膀胱炎、 などの病気の疑いがあります。

治療法としては、 過活動膀胱や間質性膀胱炎には膀胱の収縮を抑える薬を使いますが、 間質性膀胱炎では症状が悪化すれば手術が必要な事もあります。
細菌性膀胱炎の治療には抗生物質が使います。
一方で過活動膀胱は、意識的に尿道や肛門を締める骨盤底筋訓練で改善が見込める場合もあります。
思い当たる方は、ためらわず泌尿器科など医療機関を受診して、適切な判断をあおぎましょう。

<木村 明 きむら あきら>
1978年東大医学部卒業。前立腺の超音波診断で1984年医学博士。
東大泌尿器科医局長・東大講師・東京共済病院部長などを経て、
2005年に横浜市営地下鉄センター南駅前で木村泌尿器皮膚科を開業。
泌尿器科学会専門医・超音波医学会専門医。
〒224-0032横浜市都筑区茅ヶ崎中央51-1
木村泌尿器皮膚科tel:045-949-3066 
診察日:月火水金9:30~12:30 15:30~18:30 土 9:30~14:30
休診日:木・日祝日

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