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木村顔

木村泌尿器皮膚科は2013年から男性皮膚科に。皮脂欠乏性皮膚炎は専門外です。

皮脂欠乏性皮膚炎


冬場に体がカサついて痒くなった経験はありませんか?
冬は湿度が低下するのに加え、暖房により室内はさらに乾燥しています。皮膚の乾燥がひどくなると、表面に細かいひびが入り、痒い湿疹を引き起こします。皮脂の少ないすねや太ももの部分に起きることが多いです。
皮膚の潤いを保つ役割をしているのは主に角質層と皮脂です。角質層とは、死んだ皮膚細胞の集まりで、皮膚の一番外側でバリアの役目をしつつ、セラミドという物質に水分を保持しています。皮膚をこすると出る「垢」はこの角質層がはがれたものです。一方皮脂は皮脂腺から分泌されて皮膚の表面を覆うワックスの役目をしていますが、皮脂腺は25歳(早い!)を過ぎると活動が衰え始め、皮脂膜は薄くなっていきます。年を取ると角質層内の水分も皮脂も減ってきて、潤いのない肌になってしまうのです。
空気の乾燥と加齢に加えて、洗い過ぎも皮脂欠乏性湿疹の原因のひとつです。高齢の男性に多いのですが、タオルに石鹸をたっぷりつけてのゴシゴシ洗い、これをやらないと風呂に入った気がしないと言う患者さんの多いこと!さらには、痒いから尚更ゴシゴシやっていますと言う方も。ちなみに体の汚れは石鹸を泡立てて手でなでるだけで充分落ちます。年を取ったと自覚している方は洗い過ぎない様にして下さい。
また、肌の乾燥対策として「油っこい物をたくさん食べたほうがいいのでしょうか?」と聞かれることがありますが、揚げ物をたくさん食べても贅肉になるだけで皮膚に油は届きません。お風呂上りのまだホカホカしている間に保湿クリームを塗りましょう。そうすると入浴で得た水分を皮膚に閉じ込めることができ、効果的です。
Pict 保湿剤はいろいろ市販されていますが、最近ではセラミド入りのクリームが保湿効果が高いと推奨されています。尿素入りの軟膏もよいのですが、すでに痒くなっている部分に塗るとしみてさらに痒く感じる場合があるので注意が必要です。

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