Q.今日、ショックなことがありました。実は、1週間前、泌尿器科の病院をかえ、診察をしてもらいました。幸いなことに、そこは前立腺の分泌液を顕微鏡で調べてくれ、結果白血球が少しあるとのことでした。そして、一週間後の今日、細菌検査の結果が分かるというのでそれを聞きに行ったのです。その結果、先生曰く「細菌がいる。あなた治ってないでしょう。菌が耐性になり、菌がかわってきている。これから抗菌剤を使うにしても、これを使えばこっちが・・・なるし、こちらを使えば・・・なるし・・・。これは難しいな。治るとは確約できんね。」と。意味がよく分からなかったのですが、後でよく考えてみると、この掲示板でちらっと出たことのある「菌交代?」のことではないかと思うようになりました。聞き返そうと思ったのですが、「はい、では、2週間分、抗生剤を出します。」とせかせるように言われたので、ずるずると何も言えないまま診察室を出ることになりました。なんということ、わたしは、細菌性慢性前立腺炎だったのです。てっきり、精神的なものが大半と思っていたのに・・・・。前の病院では、「もう細菌はいない。症状だけが残っているだけ。」と言われたのに。ショックでした。一体どうなっているのだろう。もう、抗菌剤が効かないようになったのではないかと心配です。前の病院では、たしかオゼックス、そしてその後、もう一つ何か別の抗菌剤を処方されたと思うのですが、よく覚えていません。今日、サワシリンという聞き慣れない抗生剤を処方されました。そのほか、セルニルトンも。管理人さん、もしよかったら、菌交代?に係ることを教示願えればありがたいです。
A.菌が2種類いて、一方にのみサワシリン(ペニシリンの1種)が効くのでしょうか?治療前と治療後で菌が変わるのが菌交代です。その医者は前にどんな菌がいたか知らないわけですから,菌交代したとは診断できないと思います.
他の相談の時もそうですが、菌の名前を教えていただかないとコメントに困ります.でも患者さんからすれば、薬は手元にあるから分かるけど、検査結果はコピーでももらわないとすべて暗記できないでしょうね.
ひとつ注意しなければならないのは、前立腺液を検査する方法の限界です.前立腺に針をさして前立腺液を採取するわけではなく、尿道から亀頭を伝って出てきた液を検査しているのです.表皮ブドウ球菌は亀頭によく棲んでいます.それが検査のとき混ざっただけということもあります。これをコンタミ(contamination)と言います.肺炎の原因菌を調べるために痰を検査しても、口の中の常在菌が混ざるなど、細菌検査につきもののエラーです。「表皮ブドウ球菌のコンタミではないんですか?」と聞いてみてください.コンタミという言葉を使っただけで、医者のあなたを見る眼が変わると思います.なにげなく、是非!
Q.管理人さん、詳しい解説ありがとうございました。 管理人さんの書かれたことを見て、今日、仕事を半分休んで昨日の細菌結果のコピ-をもらいに行きました。事務の人が先生の許可を受けコピ-してくれました。(先生に直接聞こうかと思いましたが、気後れして言い出せませんでした) 次のようなことが書かれていました。でも、全然意味がわかりません。なんとなく菌が2種類だということはわかるのですが・・・・。
【検査結果】 <鏡検> GRAM陽性球菌(2+) (※あとはみんな(-)でした)
<好気/嫌気性菌> 1 GRAM(+)COCCUS/ ENTERROCOCCUS FAECALIS 2 GRAM(+)COCCUS/ コアグラ-ゼ(-) STAPHYLOCOCCUS
<薬剤感受性試験> S:感受性 I:中間 R:耐性
薬剤 1 2
AMPC S R
PIPC S I
CTM R S
IPM/C S S
ISP R S
EM R R
MINO R R
FOM I I
NFLX I R
OFLX I R
LFLX S R
TFLX I R
以上です。本来、この掲示板は、管理人さん対患者ではなく(この掲示板は病院ではない)、互いの、そして横同士の歓談が望まれるべきところにこんなデ-タを出すこと自体わがままで恥ずかしく思いますが、今の思いをどうかお察し下さい。お時間が許せば教えてください。
A.下の表を作るのに20分かかってしまいました。個別の相談に医者が答えてくれる掲示板といううわさが立つと、この掲示板を閉鎖しなければならなくなりますので、やはり主治医に聞いてください.無責任なコメントですが,ブドウ球菌のほうは本命ではないでしょう。腸球菌も陰部にはよくいる菌ですので,これもコンタミである可能性はありますが、まあこれを病原菌と決めて、サワシリンを試してみる、という方針でいいのではないでしょうか?
薬剤 | 1 腸球菌 | 2 ブドウ球菌 |
サワシリン | 感受性 | 耐性 |
PIPC | 感受性 | 中間 |
CTM | 耐性 | 感受性 |
IPM/C | 感受性 | 感受性 |
ISP | 耐性 | 感受性 |
EM | 耐性 | 耐性 |
ミノマイシン | 耐性 | 耐性 |
FOM | 中間 | 中間 |
NFLX | 中間 | 耐性 |
OFLX | 中間 | 耐性 |
クラビット | 感受性 | 耐性 |
TFLX | 中間 | 耐性 |
Q.お手数をかけました。表の意味を整理してくれまして助かります。2種類の菌どちらもコンタミの可能性があるのですね。勝手なお願いで申し訳ありませんでした。コンタミの件、さりげなく医者に聞いてみたいと思います。掲示板の利用に私的なことがあったことをお許し下さい。今後ともよろしくお願いします。
Q.しばらくぶりです。事態が深刻になってきました。細菌性の慢性前立腺炎ということが判明し(以前は別の泌尿器科で非細菌性といわれていた)、1か月半ぐらい新しい泌尿器科に通っておりました。この間、抗生物質をシ-ヌン、スワシリン、バレオンと2週間ごとにかえて様子を見ていたのですが、症状はほとんど変わらず。今日の診察時には、「まだ、痛いですか? もう、一生治りませんでしょうねえ。抗生物質が効かなくなっているからねえ。耐性菌ができている。又、前立腺に結石ができているので、そこに細菌が住んでいて抗生物質は届きにくい。一応これで治療らしきことは終了ということになるんだけれどもね。」と言われる始末。「一生治らないなんて、よくまあ患者を不安におとしいれるもんだなあ。結石があったなんてことも一度も言ったことなかっじゃないか。」と怒鳴りちらしたかったのてですが、ぐっと押さえて帰宅しました。別の泌尿器科(2つの病院)でも、エコ-をとりましたけれど、「結石」ができているなんて一度も言われませんでした。コンタミの可能性もありそうだったけれど、何か言われそうで言い出せませんでした。管理人さん、これからの対応について何かアドバイス下されば幸いです。抗生物質がほんとうにもう効かない細菌性の慢性前立腺炎になったのでしょうか。主たる症状が副睾丸の鈍痛なので、これだけでもなんとかとれる手だてはないものなのでしょうか。よければ管理人さんの病院で診察していただければ・・・と考えたりもしています。(今日の医者の発言で見放された感がしました。しかし、少なくとも、希望を失わず別の泌尿器科を捜す予定です。)
A.どちらの菌が生き残ったのでしょうか?病院を変える前に、「耐性菌ができている」の根拠になる尿培養検査の結果は聞くべきだと思いますし,病院を変えるならなおさら、いままでの細菌検査の結果はもらうべきです。事務員に頼んでこっそりコピーをもらうのでなく、素直に(力まずに)主治医と話し合ってみてください.
Q.コメントありがとうございました。検査結果を近日中にもらいに出かけたいと思います。又、耐性菌のことについても聞いてみたいと思います。コンタミの件も勇気をもって。みなさんと同様、希望を捨てず、前向きに治療していきたいと思いますので、今後ともよろしく。なお、少し落ち込んでいますので、心療内科の方も受診してみようと思います。