木村泌尿器皮膚科では男性型脱毛症治療薬・プロペシアを処方いたします。
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を処方いたします。

プロペシア(フィナステリド)による前立腺癌予防試験

Thomson IM, et al. The influence of finasteride on the development prostate cancer. N Engl J Med. 2003;349:211-220.
Thomson IMたちは全米221施設で、前立腺癌予防試験を行いました。18,882人をフィナステリド(男性ホルモン抑制剤)かプラセボ(偽薬)を飲み続ける2グループに分け、その後の前立腺癌発生率を前向きに見ていく、というものです。
フィナステリドは、前立腺肥大症治療薬として米国で開発された薬ですが、日本では臨床試験で有効との結果が出ず、 前立腺肥大症の治療薬としては認可されませんでした。
1997年、フィナステリド(製品名プロペシア)が、男性型脱毛症の治療として米国食品医薬局(FDA)に認可されると、世界50ヶ国以上で売られ、「最強の発毛剤」と呼ばれています。
日本でも、2006年秋に、処方が可能になりました。
[閑話休題]
フィナステリドをのんだ人は、癌の発生率が低かったが、グリーソンスコア(悪性度)の高い癌の発生率は逆に高かった、という結果でした。
この論文を読んで、フィナステリドを予防的にのむことを勧める医者はいません。
「尿が出にくいなど肥大症の症状があるなら、のんでみますか。癌が予防できるかどうかわかりませんが、尿のいきおいは良くなりますよ。男性型脱毛も治るかもしれませんよ。インポになるかも知れませんが」程度のおすすめです。
[追記]
しかしこの結果は、フィナステリドが前立腺を縮めたため、6箇所生検での癌が見つけやすくなった、という側面で見直すこともできます。