乾癬勉強会@青葉台フォーラム
昨日は
青葉区皮膚科専門医会主催の講演会が青葉台フォーラムで開かれました。
テーマは乾癬。
乾癬の人の皮膚を生検すると、角質層・表皮層が分厚くなり、そこにリンパ球(炎症細胞)も入り込んでいるので、炎症性角化症に分類されます。
角質層・表皮層が分厚くなるのは、表皮細胞の増殖速度が増すから。
なので治療には、
表皮細胞の増殖を抑えるビタミンDの塗り薬が使われます。
昨日の勉強会はネオーラルを販売しているメーカーとの共催でしたが、
ネオーラルはリンパ球の活動を抑える免疫抑制剤(内服薬)です。
表皮細胞に増殖するよう促しているのは、リンパ球なのです。
表皮細胞を、堤防を作る左官さん、リンパ球を、敵の侵入を見張る警察官としましょう。
敵が侵入しようとしているのに気づいた警察官は左官を動員して堤防を高くします。
敵がいないのに警察官が間違った命令を出しているのが、乾癬の病態。
ネオーラルは警察官を眠らせます。
昨日の話は、今後の可能性として、生物学的製剤の説明もありました。
リウマチの治療に最近使われている生物学的製剤(抗TNF抗体)は、警察官が左官に命令するために使っている拡声器(TNF:サイトカインの一種)を壊します。
乾癬の適応を取れるのはもう少し先になりそうですが、乾癬性関節炎とリウマチとの類似性が指摘されているように、
乾癬の治療とリウマチの治療とは重なるところがあるようです。
TNFのようなサイトカインの話題にはついていけなかった私ですが、
何度も似たような勉強会に出て、さらに
亜沙郎先生のリウマチ用の生物学的製剤の説明を読んでいると、
何となく、登場人物が分ってきます。
東京ラブストーリーや
冬ソナを見ていれば、
ブザー・ビートは2回しか見なくてもストーリーが分るようなもんでしょうか。
警察官から拡声器を取り上げると、左官さんが壁を作るのをやめるそうで、
20年にわたって塀の中に閉じ込められていた結核菌が活動し始めるのが、生物学的製剤での一番困る合併症のようでした。