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乾癬勉強会


今日は、青葉区と都筑区にある大学病院の皮膚科の責任者二人が世話人を務めた、乾癬勉強会が新横浜国際ホテルでありました。
「乾癬とは皮膚が赤く盛り上がり、その上に垢が付着する病気です。微生物による病気ではありませんので、人にうつる心配はありません。根本的な治療法がなく、症状がよくなったり悪化したりを繰り返すので、長く付き合っていかなければなりません。すなわち、症状がよくなっている期間を長くするのことが、治療の目的になります。」みたいなことが、今日、治療薬のシクロスポリンを作っている製薬会社からもらったパンフレットに書いてありました。
乾癬は、免疫反応が過剰に起こっている状態なので、免疫抑制剤のシクロスポリンが有効です。今日は大変勉強になりました。でも、うちのクリニックではシクロスポリン(ネオラール)は処方しません(ごめんなさい)。腎移植の患者を受け持った頃、シクロスポリンの血中濃度を測って、腎機能が悪いのが、拒絶反応なのか、シクロスポリンの腎毒性なのか、を判定していましたが、シクロスポリンの血中濃度が非常に不安定なのをそのとき経験してしまったのです。リアルタイムでシクロスポリン濃度を測るすべを持たずに、ネオラールを処方する勇気はありません。
でも今日の勉強会は役に立ちました。「症状がよくなっている期間を長くするのことが、治療の目的になります。」という言葉、最初にしっかり患者さんに伝えずに、薬をだすと、「一度はよくなったけど、薬を塗らなかったらまた元に戻った。」とおっしゃる患者さんが多く、そうか、この説明を最初にしておかなければならなかったんだ、と反省です。処方は間違っていなくても、見通しを説明できなければ、名医とは思ってもらえません。
無論、私は皮膚科の名医ではありません。開業を思い立ってから、皮膚科の勉強をしたので、卒業後ずっと皮膚科一筋の先生には敵いません。今日の勉強会には、私が知っている開業医は都筑区が一人、青葉区が3人いらしていました。青葉区で最近開業された先生は、初対面の先生と懇親会で熱心に話されていました。同じレベルの医者はすぐに仲間になれるんですね。テニスと同じですね。私は皮膚科専門医(私は単なる皮膚科学会会員)の集いでは、話し相手がなく、今日も食べるだけ食べて帰ってきました。
ただし、前にも書きましたが、泌尿器の皮膚科(陰部の皮膚疾患)は得意です。皮膚科の雑誌には「陰茎に生じた有棘細胞癌の1例」という症例報告が載ることがありますが、泌尿器科医に言わせれば、これは陰茎癌(泌尿器科では、有刺細胞癌のことを扁平上皮癌と呼びます。移行上皮癌と区別するため)です。
特別症例報告されるほど珍しいものではありませんので、仮に泌尿器科の雑誌に投稿しても載せてはもらえません。
皮膚科の先生は陰茎癌を見る機会が泌尿器科医より少ないのでしょう。

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