泌尿器科医・木村明の日記

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波医学会専門医。

バイアグラの使用上の注意改定


併用禁忌薬にリオシグアト(商品名アデムパス)が追加。外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症に処方される薬。

画像は別のサーバーへ預けました

バイアグラの使用上の注意が3月に改定され、併用禁忌薬にリオシグアト(商品名アデムパス)が追加になりました。

NO、cGMP、カルシウムチャンネルというストーリーは原稿なしでも喋れるようになったけど、

NOとcGMPの間にグアニル酸シクラーゼという役者もいたのでした。

リオシグアトはその刺激薬。

グアニル酸シクラーゼ刺激薬とPEE5阻害薬を併用すればcGMPが増えすぎるので、併用禁忌は当然です。

でも、リオシグアトの適応症は「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」。

リオシグアトを処方されている患者が、町の開業医にバイアグラの処方を希望して来院するでしょうか。

心不全の重症度分類;NYHA(New York Heart Association)分類Ⅲ度:
高度な身体活動の制限がある。安静時には無症状。
日常的な身体活動以下の労作で疲労、動悸、呼吸困難あるいは狭心痛を生じる
人には、もともとPEE5阻害薬は禁忌です。

「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」の人って、
心不全の重症度分類がⅢ度ではないのか、
今度が帰ってきたら聞いてみよう。

2016年4月14日