健診の1項目が正常値を超えただけで入院検査を勧められ、戸惑う人は少なくありません。 超音波検査による癌確率が高い人だけに日帰り6箇所生検を行っている横浜市都筑区の木村泌尿器皮膚科です。
横浜市では、平成16年度から、基本健診の選択項目にPSAが入りました。
平成16年度PSA検査受診者数は、35,220人で、これは横浜市の50歳以上の男性629,709人(平成17年1月1日)の5.6%にあたります。35,220人中、PSAが4以上で要精検と判断された人は3998人(11.4%)でした。
このうち2435名については、2次検診をどこに紹介したか、1次検診施設から回答が得られました。
このうち1293名につき、2次検診施設での検査結果が判明しました(残り1142名については、2次検診施設から回答がなく、集計できませんでした)。
1293名のうち、379名が前立腺癌と診断されました。
参考文献 木下裕三,白井尚 : 平成16年度横浜市PSA検診追跡調査報告. 横浜市医師会報,11月号,45-57,2006.)
以前、人間ドック施設でのPSAの結果を集計した事があるので、比較として、下記の表を作成しました。
| ||
| | |
| | |
| | |
| |
2次検診施設から回答のあった1293名中379名(29.3%)から癌が発見されました。
仮に、回答が得られなかった人たちからも同じ比率で癌が発見されると仮定すると、1170名の癌が発見されることになり、
これはPSA検査受診者35,220名の3.3%にあたります。
横浜市の50歳以上の男性の受診率を高め、また他の自治体へもPSA検診を広める、きっかけになるデータであると思います。