日本泌尿器科学会が新しい専門医制度にも対応した学会員向けの総合的な教育関連サイトJUA academyを立ち上げました。
先月、京都で学会が開かれました。
でも行きませんでした。
機構認定の専門医更新を目指していないので。
学会認定の専門医のポイントはすでにゲットしているので。
日記ネタにe-learning。
2017年の西日本総会での卒後教育プログラムを視聴しました。
褐色細胞腫/パラガングリオーマの診断と治療について。
泌尿器科の守備範囲は尿路と男性生殖器。
に加えて副腎も実は守備範囲です。
副腎髄質にできる褐色細胞腫はアドレナリンを産生する腫瘍。
副腎以外に出来たアドレナリン産生腫瘍をパラガングリオーマと呼びます。
術中腫瘍に触ると血圧が跳ね上がり、腫瘍を摘出した瞬間血圧が下がるので、術中管理が大変な手術。
昔は輸血が必要で、しかも術中出血量以上に輸血を必要としていたそうです。
理由は高血圧が続いたせいで血液が少なくなっているから。
今は術前にα1ブロッカーを投与。次第に増量して低血圧になるぐらい投与します。
そうすると骨髄が血液を作り始めるので、鉄剤も投与しながら様子を見ます。
そうすると術中輸血が不要になるのだそうです。
私が初めて参加した国際学会は昭和57年サンフランシスコでの国際泌尿器科学会。
時差ぼけもあり全然眠れず。
無事発表が終わった翌日はオプショナルツアーでヨセミテへ。
観光バスの中で爆睡し景色は覚えていません。
そして最終日は一緒に行った外来医長の発表を聞きに。
高血圧マウスの発表でしたが、セッション名はmiscellaneous。
高血圧の研究をしている泌尿器科医は少ないんだなあ、という印象を持ちました。
山之内製薬が開発したYM-617というα1ブロッカー。
YM-617と、高血圧に詳しい泌尿器科医の出会いがハリウッド映画にも登場する素晴らしい薬を生み出します。
臨床医がやる研究は趣味。
自分の興味のあることをとことん突き詰める姿勢が大事。
流行を追ってはいけません。
地道に高血圧ラットの研究していれば、肩書きは後からついてきます。
2018年5月7日