日本泌尿器科学会が新しい専門医制度にも対応した学会員向けの総合的な教育関連サイトJUA academyを立ち上げました。
金沢の総会での卒後教育プログラムを視聴しました。
筋層非浸潤性膀胱癌の診断と治療-「膀胱癌診療ガイドライン」の改訂を踏まえて-
最近は、表在性膀胱癌ではなく、筋層非浸潤性膀胱癌と呼ぶようです。
そしてそう診断するためには、内視鏡手術の時、筋層まで削って、筋層標本中にガンがないことを証明する必要があるそうです。
上皮内癌もこの範疇に入ります。
で、悪性度が高く、リスクの高いガンでは、BCG膀胱内注入療法を行います。
BCGが無効な症例には膀胱全摘が行われます。
この治療の順番は私が勤務医時代に実践していたことと同じ。
ただし、どういう状況でBCGが無効と判断して、どの時期に膀胱全摘を行うべきかは、未だに明確な指針がないようです。
ランダム化比較試験がわずかしかないのと、
筋層非浸潤と診断するために筋層まで内視鏡手術時に切除されていない症例も研究対象に含まれていて、
研究対象が本当に、まさしく「筋層非浸潤性」膀胱癌だけなのか、わからないのだそうです。
そう考える根拠は、BCG治療はやらず、すぐに膀胱全摘した群でもその後癌死する人が少なくないから、なのです。
2017年8月31日