泌尿器科医・木村明の日記

癌ならどこに紹介しますか?


当院での生検希望の方に聞かなければならない質問。

今週は講演会が3つありました。 火曜日はイクスタンジ。 水曜日はザルティア。 木曜日はアボルブ

参加したのは水曜だけ。 木曜日が休診なので、 帰宅が遅くなって睡眠不足でも大丈夫なので。

そんなに混まない外来ですが、 初診患者さんが3人連続して来られると結構大変。

前立腺生検希望の方、 鼠径ヘルニアの外人さん、 ザルティア処方希望の方、 が同時に受付されたことがありました。

前立腺生検希望の初診の方では、まずエコーと触診。 生検の適応であることを伝えると、 当院で受けたいと。

となると説明に時間がかかります。

「癌とわかったらどこに紹介してほしいですか? 当院が連携している大病院は、生検も自院で行う方針で、 生検しないで送ってくれと言われています。

なので、その病院での治療を希望されるなら、 当院では生検できません。」

本来なら生検の結果が陽性と判明してからでよい、 治療法のオプションの説明も初診日に行わなければなりません。

それから予約して、注意事項の紙を渡して、 術前検査の採血。

採血している最中(採血も私がやるので)にも、

「この駅の近くの病院でも大丈夫でしょう?」

との質問。

「大学病院ですが、分院なので、小線源を希望なら本院に紹介されることもあります。」 「本院はどこですか?」 「え~っと、品川区だったかな。大田区だったかな。」

「がんセンターは?」 「築地ですか?有明ですか?」

「駒沢公園の近くにある病院。」 「国立東京医療センターですね。紹介できます。」

次の鼠径ヘルニアも、

「外科の病気です。入院期間までは専門ではないのでわかりません。」

と外人さんに理解してもらうのは大変。

ザルティア処方には初診日に尿流測定を含めた全検査が必要。

というわけで、極々たまに、1時間程度だけ忙しい思いをするだけですが 睡眠不足では務まりません。

だからと言って、講演だけ聞いて情報交換会に出ない、 という選択肢は私にはありません。

それならWebカンファ、もしくはその録画で充分ですから。

2014年6月28日