泌尿器科医・木村明の日記


白癬菌の感染力




私が顕微鏡画像を見せながら、「白癬菌がいますね。水虫ですね。」

というと、「この前の温泉のスリッパでうつったんだ。」と言われる方がいます。

白癬菌がどこに存在するかの研究では、

シャワー室、公衆浴場、旅館のスリッパ、プールなど、不特定多数の人が裸足になる場所ならどこにでもいることが判明しています。

つまり我々の足には白癬菌が付着するチャンスはいくらでもあるわけです。

でも、皮膚表面に付着する事と、角質層を貫いて侵入する事(感染成立)とは異なります。

35度、湿度100%での実験では、角質層への侵入に1日かかることがわかっており、

温度、湿度が下がれば、数日かかります。

したがって、毎日入浴し、足を洗っていれば、感染は予防できるわけです。

足の温度・湿度を下げることも予防に有効です。

今日、説明したかったのは、

付着と感染とは違うので、マットやスリッパを極度に怖がることはない、

感染の予防には

お風呂では、趾の間もしっかり洗う、

足が蒸れないようにする、

ということです。

今年の「皮膚の日」イベントのテーマは「よくわかる水虫の予防と治療です。

11月3日(水)に関内で開かれます。