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前立腺がん健診 75歳以上に推奨せず


例え前立腺癌が見つかっても75歳以上の人には前立腺全摘は勧めません。

これは治療法としてホルモン療法を選んでも前立腺全摘を選んでも、10年間は生存率に差が出ないからです。

ですから平均余命が10年未満の人では、手術のメリットが出てくる前に寿命が来るので、手術は勧めないわけです。

平均余命が10年未満というと、75歳になります。

2008年8月5日、米政府の作業部会が75歳以上には健診目的でPSA検査を実施する事を勧めないとする提言をまとめて発表したと、昨日の新聞に出ていました。

健診で早期がんを発見しても前立腺全摘はしないわけですから、そういう結論が出るのもアメリカらしいところです。

でも、アメリカ国内でも反論は出ているようです。

後期高齢者になると、手術してもらえないんだってねえ。」という患者さんがいらっしゃいました。

75歳以上は平均余命が10年未満なので、手術のメリットがない、というだけです。

後期高齢者だから手術しない、という意味ではありません。

日本でも、もし75歳以上にPSA検診は無用、という事になったとしても、それは、純粋に医学的な検討の結果であって、後期高齢者医療制度とは無縁なのです。

無縁なのですが、患者さんに理解してもらえるか、ちょうどどちらも75歳、というのが、誤解を生みそうです。

後期高齢者には、検査も手術もしない、という意味では決してありません。

75歳の誕生日から後期高齢者の保険証になりますが、前立腺全摘したほうがよいかどうかの目安は概ね平均余命が10年ということです。

74歳11ヶ月には手術して、75歳1ヶ月には手術しないわけではありません。
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