泌尿器科医・木村明の日記

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波医学会専門医。

在宅勉強会@ベイシェラトン


在宅やるなら主治医を目指せ。

今年4月には介護報酬が減額されますが、来年4月の診療報酬改定も同じ流れでしょう。

高齢者の外来診療は出来高払いではなく、主治医を一人に決めて定額を支払う方向に。

土曜日は在宅診療での泌尿器科医の果たすべき役割勉強会でした。

在宅時医学総合管理料は”在医総管”、

在宅寝たきり患者処置指導管理料は”寝た処置”、

と略すのだそうです。当院スタッフへ。覚えてね。

「当院は”寝た処置”請求できますか?主治医は”在医総管”を算定していないですよね?」、みたいな会話が出来るように。

訪問診療とは予定を決めて定期的に訪問すること。

往診とは求めに応じて患家を訪問すること。

だそうです。

そして訪問診療できるのは1医療機関だけだそうです。

主治医が訪問診療している患者の家に泌尿器科医が出向いてカテーテル交換に行った場合、往診料は請求できるのか。

4週間ごとカテーテル交換に行くのは往診ではなく、訪問診療と見なされるかも知れないのです。

内科クリニックと泌尿器科クリニックが両方、訪問診療の経費を請求はできません。

で、私の”相棒”先生の意見は、泌尿器科医こそ全人的な医療を提供できるので、泌尿器科医が主治医になろう、でした。

泌尿器科医は癌末期も診ます。

尿路変更術後は尿が腹膜で再吸収され代謝性アシドーシスが起こり、その管理にも慣れています。

代謝性アシドーシスを代償するための呼吸性アルカローシスも管理せざるを得ないため、レスピレーターにも詳しくならざるを得ません。

心カテばかりやっている娘より、私の方が在宅の主治医には向いているかもしれません。

でも何度も書いているように私の最大の欠点は不眠症とその対策としてのアルコール中毒。

夜中電話で起こされてもすぐまた眠れるのなら、定年まで東京共済の部長をやっていたでしょう。

開業したら夜中呼び出されることはないだろう、と思ったわけです。 なので、在宅つまり地域包括ケアには背を向けています。

夜中に起こされたくない医者はいつまで食っていけるのでしょう。

土曜の会は懇親会のない勉強会。なので聞きたいとこまで聞いて中座。

討論での結論が真逆だったらごめんなさい。

2015年2月9日