木村泌尿器院長の勉強部屋

木村顔

医師会での生涯教育など泌尿器科以外の勉強会にも出席しています。生活習慣病や心房細動、消化器など。

過活動膀胱新薬ベオーバ(ビベグロン)


過活動膀胱治療薬ベオーバ(ビベグロン)はベタニス(ミラベグロン)に続くβ3アドレナリン受容体作動薬の2剤目。

2018年秋に新規過活動膀胱(OAB)治療薬ベオーバが発売されます。

β3アドレナリン受容体作動薬でベタニスに続く2剤目となります。

抗コリン剤とβ3作動薬とをどう使い分けるかはいろいろ議論されてきました。

2014年ベタニス3周年講演会ではOABレジェンドたちが新たな研究結果の披露しました。

その中で、

  1. ベタニス(β3作動薬)は膀胱筋肉を弛緩させる効果だけではなかった。
  2. ベタニスは膀胱の知覚神経のAδ線維を抑制する。
  3. ベシケア(抗コリン剤)はアセチルコリンがC線維を刺激するのを抑える薬。
  4. だから、ベシケア(抗コリン剤)が効く病態と、ベタニス(β3作動薬)が効く病態に差はない。
  5. 効果と副作用との天秤で、使い分けをすることになる。

というお話が目から鱗でした。

と言う訳で、ベオーバ(ビベグロン)がどの人に有効かは、実際に処方してみないと分からない、と思っています。

当院での過去3ヶ月(90日処方の人も拾うため)の処方症例数はβ3作動薬が15例に対し、抗コリン剤は76例でした。

抗コリン剤の中ではトビエースが44例と一番多いという結果でした。

今まではβ3にはベタニスしかなかった訳ですが、べオーバが発売されて2剤になり、

それぞれ特徴が違えば、β3を処方する人も増えてくるかも知れません。

2018年9月27日


べオーバ昼の勉強会


ベタニスには血圧の上昇があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血圧測定を行うことという重要な基本的事項が添付文書に書かれていますが、べオーバにはそのような注意喚起はないとのことでした。

今日は1年ぶりに昼の勉強会。

テーマは数年ぶりに出る新しい過活動膀胱治療薬べオーバ

MRさんから、プラセボとの対照試験の結果を聞きました。

いい薬のようです。

私が気に入ったのは、同じβ3作動薬に比べ、警告や使用上の注意が少ないこと。

ベタニスには、

生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。[動物実験(ラット)で、精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められ、高用量では発情休止期の延長、黄体数の減少に伴う着床数及び生存胎児数の減少が認められている。]

という警告と、

血圧の上昇があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血圧測定を行うこ と。

という重要な基本的事項が添付文書に書かれていますが、

べオーバにはそのような注意喚起はないとのことでした。

血圧をチェックしないで処方できる、というのは、自動血圧計がない当院にはありがたいですし、

子供が欲しい年齢にも処方できるのは随分使いやすくなると思います。

まあ、1年間は14日処方しかできないのはネックですが。

2018年11月14日


べオーバWeb講演会


「ベオーバの処方に血圧測定は不要ですか?」と質問。血圧を測らないとベオーバを処方できないという縛りはない、とのことでした。

血圧測定

11月26日(月)は19時からのm3でのWeb講演会を視聴。

テーマはOAB治療の未来〜新規β3受容体作動薬ベオーバ〜

前半は、高齢者に投与するには、抗コリン剤(認知機能に悪影響)よりβ3作動薬のほうがよいという話。

後半は、ベオーバのランダム化比較試験(先日MRさんから聞いた内容とほぼ同じ)の解説。

質問時間があったので、「ベオーバの処方に血圧測定は不要ですか?」と質問。

私の質問(私とは限らないけど)は採用していただけました。

治験段階で、血圧への影響はほとんどない。

全身状態を把握する上で、血圧を測定することは好ましいが、

血圧を測らないとベオーバを処方できない、という縛りはない、

とのことでした。

2018年11月27日


べオーバWeb講演会2回目


主要評価項目が1日の排尿回数である、と言うのに引っ掛かりました。OABSS(過活動膀胱症状質問票)では、頻尿よりも尿意切迫感と尿失禁の方に高い点数が配分してあります。

12月4日(火)は19時からのm3でのWeb講演会を視聴。

今回の講師は、ヒト膀胱組織にβ3受容体が発現していることを1999年に発見した先生。

β3受容体作動薬開発に貢献した先生ですので、ベオーバの構造式に関する説明にも力を入れた講演でした。

第3相臨床試験(プラセボとの薬効比較)の結果を聞くのは3回目。

何度も聞くうち、主要評価項目が1日の排尿回数である、と言うのに引っ掛かりました。

過活動膀胱症状

過活動膀胱とは、尿意切迫感が必須症状。

OABSS(過活動膀胱症状質問票)では、頻尿よりも尿意切迫感と尿失禁の方に高い点数が配分してあります。

もしこの治験OABSSで効果判定していたら、あまり良い結果が出なかったのではないか?

その辺のことを、12月4日(火)のWeb講演会では質問してみましたが、残念!、私の質問は採用されませんでした。

2018年12月5日


青葉区泌尿器科医会学術講演会


ベオーバの国内第3相比較試験。12週の時点での1日平均切迫性尿失禁回数では、プラセボ群では1.08減ったのに対し、ベオーバ群では1.35回減り、差は0.27回(有意差はあるが危険率1%)。

2019年1月9日(水)は青葉区医師会で「過活動膀胱疾患治療薬の最新知見」と題する講演会に参加。

今回の講師は、青葉区の大学病院の教授。

青葉区医師会員(つまり内科医)も対象なので、まずは抗コリン剤とβ3作動薬の作用機序についての説明から。

続いて、ベオーバの国内第3相比較試験の結果説明。

主要評価項目は1日平均排尿回数で、12週の時点での比較。

プラセボ群(1224例)では1.21回減ったのに対し、ベオーバ群(1225例)では2.08回減り、差は0.86回(危険率0.1%で有意差)。

副次評価項目の1日平均尿意切迫感回数は、プラセボ群では1.77減ったのに対し、ベオーバ群では2.28回減り、差は0.51回(危険率0.1%で有意差)。

同じく副次評価項目の1日平均切迫性尿失禁回数では、プラセボ群では1.08減ったのに対し、ベオーバ群では1.35回減り、差は0.27回(有意差はあるが危険率1%)。

講師は保険審査にも詳しい先生で、

抗コリン剤を2種類併用(ベシケアとウリトス)すると査定されるが、抗コリン剤とβ3の併用(ベシケアとベタニス)は査定されない、

などの解説もありました。

2019年1月10日


ベオーバ発売記念講演会in東京


私と同じころさいたまで開業した医局の先輩と情報交換。「こんな使いやすくてよく効く薬ができると、過活動膀胱は内科医の病気になって、泌尿器科医の出番はなくなるね」、とのこと。

2019年2月23日(土)はニューオータニで開かれたベオーバ発売記念講演会に参加。

来週は大阪でもベオーバ発売記念講演会が開かれるそうで、参加者は東日本+沖縄(飛行機だと東京が便利)。

講演1は、製薬会社社員によるベオーバの構造式の特徴。

安定性と安全性を実現するために、どこの亀の甲を外したか、みたいな説明でした。

β3作動薬の研究は最初は脂肪細胞のβ3受容体の研究から始まった、というのは初めて聞く話でした。

アドレナリンは脂肪細胞が備蓄したエネルギーを放出させます。

脂肪を燃焼させるβ3作動薬が出来れば、メタボ解消、やせ薬ができるわけです。

その研究は頓挫し、代わりに過活動膀胱治療薬になったわけです。

講演2は、第3相試験に携わった医師による、治験データの説明

最後は、大学教授3人も壇上にあがり、「ベオーバに期待できること」という総合討論。

参加者全員のアンサーチェッカーも交えながらの討論で、

泌尿器科医が過活動膀胱の治療薬の第1選択をどう選んでいるか、

参考になりました。

膀胱尿道のシルエット

情報交換会では、まずこの看板の前で自撮り。

我々夫婦のシルエットでは、膀胱、尿道のシルエットは作れないのだろうな!

私と同じころさいたまで開業した医局の先輩と情報交換。

「こんな使いやすくてよく効く薬ができると、過活動膀胱は内科医の病気になって、泌尿器科医の出番はなくなるね」、

とのことでした。

2019年2月24日


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木村明の日記