泌尿器科医・木村明の日記

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波医学会専門医。

夜間の尿意と介護者のQOL


夜間頻尿に効く良い薬が開発されれば、それは本人だけでなく介護者のQOL向上につながるでしょう。

老人ホームにいる母親。過去何回か夜間ベッドわきで転倒。

自力でトイレまで歩けると思っているんですね。

骨折されたら困るから歩けると思わないでほしいのですが。

骨折しなくても、職員が二人駆けつけないと、トイレまで運んで排尿させて、またベットに寝かせることはできません。

介護する側としては、

夜はおむつに排尿して。

トイレに行こうとしないで。

と思いますよね。

あ、これは私の意見。老人ホームのスタッフはそんなことはおっしゃいません。

夜間頻尿に効く良い薬が開発されれば、それは本人だけでなく介護者のQOL向上につながるでしょう。

新薬は薬価が高く、医療費増加に繋がります。 高齢者の過活動膀胱治療薬にいくらお金をかけるんだ、という主張もあります。

医療経済の議論では介護体制からの視点も必要かも。 介護施設の夜勤スタッフの重労働が介護職離れの原因のひとつです。

夜勤スタッフが少ないからと言って、入居者を拘束すると高齢者虐待になってしまいますから。

2015年4月23日