比例ハザードモデル
比例ハザードモデルでは、ハザード(瞬間死亡率)λは、
λ=λ0e0.3045Age+0.8455stage+0.429resistant
と表される。
ところで
東京大学分院の前立腺癌108例での累積生存率は5年が45%,10年が29%,15年が18%である。
年間死亡率を0.11とすると、5年後に生存している確率は1-(1-0.11)5=56%,10年後に生存している確率は1-(1-0.11)10=31%,15年後に生存している確率は1-(1-0.11)15=17%となり、良く一致する。
すなわち、年齢が74歳で、stageを数値化したものが1.38(CとDの間)で、内分泌療法抵抗性が0.17の、108例の平均値を持つ人の
ハザード(年間死亡率)が、0.11であると解釈できる。
0.11=λ0e0.3045*74+0.8455*1.38+0.429*0.17
よって
λ0=0.11e-0.3045*74-0.8455*1.38-0.429*0.17
よって
λ=0.11e0.3045(Age-74)+0.8455(stage-1.38)+0.429(resistant-0.17)
よって年齢が74歳で、stageがCで、内分泌療法が有効な人のハザードλは、
λ=0.11e0.3045(74-74)+0.8455(1-1.38)+0.429(0-0.17)
=0.074
この人が、5年後に生存している確率は1-(1-0.074)5=68%,10年後に生存している確率は1-(1-0.074)10=46%,15年後に生存している確率は1-(1-0.074)15=32%となる。
第60回日本泌尿器科学会東部総会(盛岡)での発表原稿