頻尿なのか多尿なのかは排尿日誌で

1日尿量は1500ml、1日の尿回数は7回、というのが成人での平均です。
膀胱容量は300mlが普通です。毎回300mlずつ排尿すれば、5回の排尿で1500ml出せることになりますが、 強い尿意を感じた時のみトイレに行くわけではないので(外出前や会議前に済ませておくなど)、 1日の尿回数は7回ぐらいになるわけです。
排尿回数が増える原因には、1回排尿量が減少している場合と、1日尿量が増加している場合とがあります。

1回排尿量が減少しているのが頻尿
1日尿量が増加しているのが多尿

です。
頻尿とドライブ
頻尿なのか多尿なのかの区別は、排尿日誌をつけることで簡単にわかります。
休みの日に自宅で1日尿量を測定してみましょう。100円ショップなど売っている計量カップで毎回の尿量を記録するのです。

土曜日の21時から日曜日の21時まで、のように自分の都合のいい24時間を決めて、何時に何ml排尿したか記録してみましょう。

正常な人の記録
頻尿の人の記録
多尿の人の記録
時刻(時:分) 排尿量(ml)
22:10 150
6:30 350
8:30 150
11:30 300
15:10 250
18:00 200
20:10 200
合計 1600
時刻(時:分) 排尿量(ml)
21:30 150
22:10 30
23:00 60
8:30 300
8:50 30
10:00 100
11:00 70
12:00 50
13:30 100
14:50 100
16:30 100
18:00 80
19:30 100
20:20 60
合計 1330
時刻(時:分) 排尿量(ml)
22:00 200
1:20 300
3:00 300
4:50 300
7:30 400
9:00 250
11:00 300
12:00 150
13:30 250
15:00 200
16:30 300
18:00 250
19:30 200
20:50 300
合計 3700

頻尿なのか多尿なのかで、治療法は異なります。
多尿であれば、糖尿病などの内科の病気がないかを調べる事になります。
糖尿病だと尿に出てくる糖が水分も連れてくるので尿量が増えるのです。

排尿日誌では、最大膀胱容量を知ることもできます。
上の表の「頻尿の人の記録」では朝一番の排尿量が300mlあります(表の赤い字)。
これで、この人は膀胱容量が正常である、したがって膀胱が縮む病気(間質性膀胱炎)ではないことがわかるのです。

排尿日誌は一日やれば十分です。毎日やるような習慣をつけるとそのせいでかえって習慣性の頻尿になってしまいかねませんから。
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