梅毒
梅毒トレポネーマによる性行為感染症です。
第1期(感染後3週間 - 3か月)
感染の機会から3週間の潜伏期を経て、
亀頭・冠状溝に、無痛性の大豆大の硬結を生じます。
硬結は自壊して潰瘍になりますが、痛みは伴いません。
梅毒血清反応で、STSとTPHAがともに陽性となります。
第2期(感染後3か月 - 3年)
バラ疹と呼ばれる5mm~2cmの紅斑が全身に現れます。
かゆみも痛みも感じません。
梅毒血清反応が強陽性となります。
梅毒トレポネーマには耐性菌がいません。
ペニシリンなどの抗生剤で治癒します。
最初にペニシリンを飲んでから2~12時間後に、発熱、頭痛、悪寒が生じます。
この反応は、
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応と呼ばれます。
病原の細菌が大量に死滅・破壊されて、細菌内部の毒素が血液に混入する事が原因です。
ペニシリンに対するアレルギー反応ではありません。
日本では、第3期梅毒は稀です。
私は見たことがありません。
ちょっと熱が出ただけで、抗生剤が簡単に処方される日本では、
梅毒と診断されないまま、治っている場合が多いのでしょう。
2016年になって、当院でも梅毒の初診患者さんが増えています。
いずれも、海外ではなく、日本女性から感染したと思われる方々です。
調べてみたら、厚労省がこんなリーフレットを2015年作っていました。
相手が日本人だからと安心してはいけません。