木村泌尿器皮膚科

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東大病院で受けた針生検


以下は、55歳の方からいただいたメールです。

初めてお便り差し上げます。  前立腺癌が疑われて以来、たびたび、ホームページにはお邪魔させていただいてお ります。診断を受けるにあたり、また治療法を選択する場合などにも、いろいろと参考 にさせてい ただきました。
前立腺針生検
 68歳を迎えて間もない今年の5月2日、東大病院で受けた針生検で6本中4本に 中分化型(低分化を含む)癌が見つかり、CT(異常なし、非常に清明)、骨シンチ(右第4 肋骨の2カ 所に転移病巣あり、骨盤やその他は清明)、エコー、直腸触診の検査の結果、5月1 5日に「ステージC」と診断されました。主治医の教授には、全摘手術をすすめられ ましたが、 拒否いたしました。  現在は、LH-RHアナログ注(単独)のみの治療を受けておりますが、抗男性ホ ルモンの副作用は必要なのでしょうか。PSA値は、42.17(2月22日),72.00 (5月19日 ),90.63(6月16日),8.73(7月14日),1.50(8月11日), 0.3(9月8日)(採血は、各日付の4週間前)と順調に下がってきています。  私としては、間欠療法に関心をもっており、そうしたい希望がありますが、主治医は間欠療法には積極的ではないようです。先生のご意見はいかがでしょうか。また、もし間 欠療法が考 えられるならば、その時期や判断の目安など教えていただければ幸いです。その場合、 LH-RHアナログ注の中断期間、抗男性ホルモンに替えるなどの方法、また再発時期の延 伸の効果は どの程度のものなのかなど、ぜひお伺いしたいところです。
サンデージャポン
 現在感じる体調の変化としては、以前に比べて、運動(テニス、1日3時間)後の 疲労感が強くなったこと、頚椎左側、腰部、前立腺部に鈍痛がみられることです。個人的に 「十全大補 湯」「アガリクス」「プロポリス」を服用しておりますが、これらの効果、副作用は あるのでしょうか。  また、今とても興味があるのが、高知医科大学附属病院の相良祐輔先生が臨床で用 いられている「免疫マーカー」です(NHK教育テレビの「ETV2000」で5月に放映)。 先生のご 意見をぜひお聞かせください。  長々と質問ばかりを書いてしまい、申し訳ありません。最後に、主治医は、本年 末頃、CT、骨シンチなどの検査を予定されていますが、いずれ木村先生のセカンドオピニオ ンを頂戴に 伺いたいと思っております。その際の時期と方法をお教えくださいますようお願い申 し上げます。  ますますのご活躍を祈念しております。時節柄お体ご自愛ください。


コメント
間欠療法はPSAが再上昇してくるまで、ホルモン療法を休む方法ですが、まだ評価が定まっていない段階ですので、患者さんに勧める病院は日本にはまだ少ないと思います。 PSAが正常化したらすぐ中止するのか、それでも6ヶ月は継続して癌細胞に十分にダメージを与えてから、中止するのか、 といった、やり方すらまだスタンダードがありません。間欠療法で、ずーっと継続している人と同じ生存率が得られるかは、これから何年後かに明らかになるでしょう。 今わかっていることは、一度ホルモン療法をやめてPSAが再上昇しはじめた人にもう一度ホルモン療法を再開すると、再度PSAは下がること、しかし、2回目は初回ほど ホルモン療法をしなくて良い時期が長続きしないこと、ぐらいです。 骨粗しょう症のような副作用は、当然少ない、と思われます. 私はあなたの主治医の教え子ですので、私の意見はセカンドオピニオンにはならないと思いますが、 それでもよろしければ、比較的暇な木曜午前の山田記念病院の外来(東大病院からなら、上野広小路から錦糸町行きのバスに乗って石原3丁目下車) にいらしてください。