前立腺癌の骨転移ではなく単なる脊椎膿瘍とのことで、現在平行棒内をほとんど介助無で歩行できるまでに回復いたしました。


Q. 71歳の父のことで相談させてください。5年程前に前立腺肥大の手術を受け、採取した細胞から前立腺癌が見つかりました。

前立腺を内視鏡で切除

ただし肛門エコー、MRIの結果癌は見つからず、ステージA2との診断を受け定期的に血液検査、ホルモン注射を行ってきました。PSAもずっと検出限界以下でしたが、昨年末に腰痛のため立てなくなり、検査の結果前立腺癌が脊椎に転移した可能性が高いとのことです。ただし痛いのは立とうとした時に太ももの横あたりで、脊椎ではありません。また、寝ていれば痛みはありません。残念ながら血液検査を行っておらずPSAの値はわかりません。主治医の先生は放射線治療を勧め、設備の整った大学病院の先生を紹介して下さいました。MRI、骨シンチ等の検査結果を持って母が診察を受けたところ、これは放射線がいいなとのことでした。そこで早速転院手続きをし、昨日転院いたしました。すると受持医は何の説明もなくホルモン療法を2週間ほどする、その後は転院かターミナルケアを紹介するとのことでした。ここで相談ですが、放射線よりもホルモン療法を優先させる理由はどのようなことが考えられますでしょうか。また、ターミナルケアと言う言葉は治らない、先も短いと言うことを意味するのでしょうか。よろしくお願いいたします。

A.骨シンチでは、骨への転移の範囲がはっきりわかります。全身の骨に転移している場合には、放射線治療の対象にならないことがあります。全身に放射線をあてると副作用が強すぎるからです。

骨シンチ

Q.早速の回答ありがとうございました。骨シンチの結果脊椎以外には転移していないとのことでした。現在ホンバン前立腺癌の進行を抑える目的で投与しています。これが効かないときは他に手段がなく、予後が月単位とのことです。ただし投与前のPSA値は0.05以下であり、前立腺癌そのものを疑っているようです。このような状況でホンバンを投与することで副作用等のダメージはないのでしょうか。また、放射線は効果がないのでしょうか。よろしくお願いいたします

A.お母さんが診察を受けた、外来担当医に会わせてもらって、放射線は効果がないのでしょうか、と直接聞いてみたらよいと思います。

Q.度々すいません。父の受持医に直接聞いたところ放射線の効果はないとのことでした。病院の方針もありホルモン治療が効果がない場合は転院することになります。そのときに放射線治療をお願いするというのが一般的に意味のないことかどうかを知りたいのです。やはりそれなりにダメージがあると思いますので。 よろしくお願いいたします。

放射線療法

A.放射線治療の意味があると思います。受持医と外来担当医は意見が違うのでしょうか?

Q.大変ありがたいご意見本当にありがとうございます。とりあえず今週でホルモン治療が終了いたします。そのときの状況を見てまた相談させてください。

Q.脊髄への転移が推定され、ホンバンを投与しています。あと3日で第2クールが終了し、リハビリを主体として転院を勧められております。第1クール目から痛みも取れ、ベットでの簡単なリハビリを行っています。本人ももう少しで車椅子、歩行器の練習、そして自分での歩行を期待しています。しかし、脊髄が弱っているので歩くのは無理で、車椅子も難しいとのことです。圧迫骨折すると元も子もないとのことですが、ではなぜリハビリを?と思っています。一方整形外科医は腰椎の4,5番目は骨折してもそれほど大事に至らないので、積極的にリハビリをしたほうがいいと言っています。どの程度骨が弱っているかは定量的にはわかりませんが、腰椎への転移があった患者さんに先生はどの様に勧めていたか教えて下さい。

車椅子

A.車椅子も難しいのに、ではなぜリハビリを?とのことですが、ベッド上で体位変換を可能にするためのリハビリというのもあります。

Q.先生のおっしゃるとおり、上半身を動かすためのリハビリだと納得しました。しかしまだ放射線の選択肢があると思います。受持ち医からは画像その他の具体的検査結果を教えてもらえず、なぜ癌と判断したのか、どうして放射線は意味がないのか納得できません。 医師は患者およびその家族に病状、考えられる治療法、そして治療選択の理由を説明する必要があると思います。それが全くなく、また点滴以外は病室にも着ません。非常に不愉快です。父に申し訳なく思います。今の病院を紹介してくださった先生も、放射線を依頼したのにとがっかりしています。ご好意で元の病院に戻ることになりました。 ここからが質問ですが、いったん転移した骨は回復しないのでしょうか。また、痛みがない現在放射線を行う意味はあるのでしょうか。先生のHPでは痛みをとる効果が紹介されていますが。 よろしくお願いいたします。

A.お母さんが最初に会われた外来担当医は、放射線療法を薦めていたということだったと記憶しています。その医者にはもう一度会われましたか?

江の島と富士

Q.放射線を薦めていた主治医には残念ながら会っていません。受持ち医がこれ以上の説明はないとのことで。神奈川の大学病院の先生で、学会の理事の方ですので忙しいのかもしれません。
現在父は痛みをほとんど感じていないようなので、以前お世話になった病院に転院してリハビリを行います。そこの主治医の先生と相談して放射線は決めようと思います。先生いわく、出身大学病院であれば、希望すればいつでも放射線治療をしてくれるとのことです。再度お尋ねしますが、痛みのない状態で放射線治療は意味あることでしょうか。また、弱くなった骨は放射線以外に回復しないのでしょうか。

A.まず脊椎と脊髄を混同するとこれからの説明が混乱しますので良く理解して下さい。脊椎(背骨のこと)の裏側に脊髄(神経のこと)が走っています。前立腺癌は骨である脊椎に転移します。これが脊髄のほうに出っぱって圧迫し始めると痛みを感じます。さらに圧迫すると神経が麻痺します。麻痺した状態で2週間(1週間かも知れません、整形外科医でないので正確なところは自信ありません)たつと神経は死んでしまいます。 痛いために歩けない時期、麻痺した直後には、放射線は効果を期待できますが、神経が変成した後では放射線を当てても、麻痺は治りません。
外来でお母さんと会った医者は写真を見ただけで、お父さんには会われていないので、痛くて歩けないのか、麻痺して歩けないのかを知らないまま、放射線を勧めたのかもしれません。

進行性

Q.丁寧なご回答ありがとうございました。骨に転移しているので放射線は期待できないと言われ納得がいかなかったのですが、時期的なことを考えておりませんでした。
幸いホンバン投与により痛みはほとんど消失したようで、今となっては放射線を照射しなくてよかったと思っております。本人も調子がいいのかベットでしきりに足を動かし、家に帰った夢まで見るようです。今日明日には第2クールを終了し、自宅近くの共済病院でリハビリを主体とした治療に入ります。(リハビリ科はないのですが、泌尿器科に入院し、専門の方のリハビリを受けるようです。)
先生の丁寧な回答でずいぶんと気持ちが落ち着きました。本当にありがとうございました。

Q.父は前立腺癌の可能性が極めて高いと診断され、ホンバンの投与を受けました。その結果痛みがなくなり、リハビリ主体の治療を受けるため転院することになりました。ただし以前のように歩くことは不可能で、車椅子でさえ難しいと説明してくれました。 しかし家族としては少なくとも自分でトイレに行けるようになる程度までリハビリをして欲しいと思っています。医師は脊椎が骨折すると下半身が麻痺するので元も子もないと言っていますが、リハビリによって脊椎や周囲の筋肉が強化され、トイレくらい行けるようになるのではないかと期待しています。ですから転院先ではその旨を伝え、積極的なリハビリをしていただきたいと思います。この考えについて先生のご意見をいただきたいのですが。よろしくお願いいたします。

A.私にお聞きになる前に、主治医によく聞いたほうがわかると思います。何しろ私には、お父さんがベッドの上で足を動かすことができるのかどうかも教えていただいていないのですから。2月19日の書き込みにもどりますが、お父さんが歩けないのは、痛くて歩けないのか、麻痺して歩けないのか、もまだ教えていただいていません。

Q.十分な情報も伝えずに相談をして申し訳ありませんでした。
父は痛みはなく、足も動きます。現在のリハビリは足を曲げたり、リハビリ担当者の手を強く押したり、交差させたりしています。ただしベットの背中の角度は70度程度で、それ以上は禁じられています。受持ち医(主治医の先生にはお目にかかったことがありません。担当医を受持ち医と呼んでいるようです)は歩けないと言っているのではなく、脊椎骨折の可能性があるのでやめた方がいいと言っています。しかし痛みも泣く、自由に足が動かせることができる状況だからこそ積極的なリハビリをお願いしたいのですが。いかがでしょうか。

MRI読影

A.足が動くのなら、脊髄は完全にはやられていないと言うことだと思うのですが?では何故、放射線治療をやってもらえないのでしょうか?私に聞くより、受け持ち医に聞いて下さい。私はあなたから診断料をもらっていませんが、受け持ち医が所属している病院には治療費を払っておられるわけですから、納得のいくまで説明を受ける権利があります。

Q.先生のおっしゃる通りです。しかしこちらが聞いても意味がない、病院の方針の一点張りで話になりません。幸なことに明日転院いたします。同じ大学病院付属ですが、自宅からも近く私も頻繁に通うことができます。そこでは最初から納得のいく説明を求めていきたいと思います。
ちなみに脊髄が損傷を受けていると言う話は聞いていません。放射線を受けるため元いた病院への転院も検討しましたが、そこでの主治医が痛みが取れたのなら放射線は必要ないでしょうとのことで、リハビリを主体として別の病院への転院を決定しました。
色々とありがとうございました。

A.お父さんのお子さんはMKさんだけですか?実はお父さんと同居している長男がすべて説明を聞いていて、次男であるMKさんにもう一度同じ説明をするのを受け持ち医が、面倒がっている、と言うことはないですか?

Q.私は次男ですが長男は既に他界しております。説明を面倒がっているのは確かですが、原因は単に面倒くさい、説明しても無駄という考えから来ていると思います。これは医師の倫理欠如だと思います。病院に勤務する以上、論文を書くための医学研究員ではなく、医師なのです。最初から思い込みで治療を始め、経過報告もありませんでした。転院先への病状説明はかなりひどいと書かれており、転院先の担当医が実際に診察をしてみてかなり症状がいいことに対して驚いています。考えるだけで腹が立ちますが、今は父の症状がよくなることを祈り忘れることにします。 今週木曜日に再検査の結果が出ますので、また相談させていただきます

A.おっしゃる通りなら、いま流行のインフォームドコンセントの理念からずいぶんかけ離れた病院ということになりますが?

医師面談

Q.先週主治医より説明があり、前立腺癌ではなく、化膿性脊椎症であることがわかりました。早速自分で歩けることを目標にリハビリを開始しております。同じ大学の付属病院でありながら、本人の医師は思い込みから確認も家族への説明もなしに治療を開始し、ほとんど顔を見せなかった医師とは違い、最初は告知が遅すぎると怒りつつも直接診察してから話をするといった医師に感謝いたします。 ただし前立腺癌であること、この先転移の可能性があることは間違いがなく、今後も相談させていただくことがあるとおもいます。その際はよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。

Q.以前父のことで相談させていただいた者です。前立腺癌の骨転移ではなく単なる脊椎膿瘍とのことで、現在平行棒内をほとんど介助無で歩行できるまでに回復いたしました。 今回の質問は月に1回行ってきたホルモン注射を続けるべきがどうかです。6年前に前立腺肥大手術のときに採取した組織の一部に癌細胞があり、以来ホルモン注射を続けてきました。ところが、前立腺癌ではなかった、PSA値も検出限界以下であるとのことから、現在の主治医からホルモン注射をする必要がないと言われました。インターネットで情報を集め、家族で決断するよう求められております。現時点では引き続きホルモン注射を続けたいと思っておりますが、注射をすることによるデメリットがあるのであれば再度考えたいと思います。ホルモン注射を続けるかどうか、先生のご意見を伺いたいと思います。また、デメリットについても教えていただければ幸です。

A.ホルモン注射を中止してPSA値も検出限界以下がキープできるか、定期的にチェックしながら見ていくことも可能だと思います。

Q.ご回答ありがとうございます。相手が癌でなければすぐにでも先生のご意見に従うのですが、癌であるだけに迷ってしまいます。ホルモン注射を中止してPSA値が基準値を超えた場合、それからホルモン注射を再開しても基準値以下になるのでしょうか。つまり手遅れになるようなことはないかどうかです。副作用がなければ継続した方が安心なのですが、必要がないのに注射を行っていざというときに効果がなくなるのも避けたいです。再度ご意見をいただければ幸です。

A.PSAが再上昇してくるまで、ホルモン療法を休む間欠療法はまだ、患者さんの同意を得て治療効果の成績を調査している段階です。患者さんに決めてもらうしかありません。

Q.間欠療法の現状に関する情報ありがとうございました。中間結果でもあったら教えて下さい。とりあえず結果はないものとして家族で相談してみます。ありがとうございました。