日本泌尿器科学会が新しい専門医制度にも対応した学会員向けの総合的な教育関連サイトJUA academyを立ち上げました。
JUA WEBINAR第3シリーズは「進行性前立腺癌 -基礎から最新の治療まで-」。
その第1回は「去勢抵抗性前立腺がんの発現メカニズムを捉える」。
休診日に自宅のパソコンで視聴しました。
Wi-Fiの調子が悪く、30分ぐらいのところで2回中断。
最初から見直すこと3回!
なので、テストは1発合格。
80点だけど。
専門医の単位になるので、動画を再生し始めたら最後まで通して見なければならないのです。
一時停止ボタン以外の方法で視聴を中断すると、続きから再生とか早送りとかできないのです。
去勢された後も、前立腺細胞内でつくられつづけるテストステロンを作られないようにするのがアビラテロン(ザイティガ)、
テストステロンが結合する相手のアンドロゲンレセプターの作用を抑えるのがエンザルタミド(イクスタンジ)、
というのを勉強しました。
テストステロンがジヒドロテストロンに活性化されてからアンドロゲンレセプターにくっつくと、細胞核のDNAの情報を読み取って蛋白合成が始まる。
ジヒドロテストロンがくっつかなくても、アンドロゲンレセプターがDNAの情報を読み取れるようにがん細胞が変異してしまうと、アビラテロンはもう効かない。
イクスタンジはこの変異には効くらしい。
アンドロゲンレセプターにジヒドロテストロンがくっつくとアンドロゲンレセプターが折れ曲がって細胞核に入れるようになり、
しかも折れたために出っ張った部分がDNAの情報を読み取るらしい。
折れ曲がって開いた口から秘密兵器が出てくる様子を、サンダーバードのような模型かアニメで素人にも分かるように示せれば良いのですが。
テストステロンが5αリダクターゼによってジヒドロテストロンになる話はAGAにも関係するので、
よく聞くのですが、ジヒドロテストロン登場後のストーリーの理解はイマイチ。
ネット広告を出しているAGA専門クリニックのサイトにはAGAの診断・治療効果予測にアンドロゲンレセプターの遺伝子検査が有効と書いてあることも。
眉唾だは思うものの、反論できるほどアンドロゲンレセプターの遺伝子多型について、私は知識がありません。
ひょっとしたら、ジヒドロテストロンでなくてもテストステロンがくっつけば折れ曲がるアンドロゲンレセプター変異があるのかも知れず、
遺伝子検査でフィナステリド(プロペシア)の効果を予想できると主張されれば、今の私には反論できる知識がありません。
このシリーズを聞きながら、男性ホルモンのいろいろな働きを理解したい(もう論文を取り寄せて勉強するほどの気力がないので)と思っています。
今年もJUAに1万円払った意味はありそうです。
2018年4月9日