超音波医学会専門医。腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意です。 膀胱炎・尿道炎・男子不妊症では、院長自身が顕微鏡検査(尿・精液)を行います。 ここは、院長ブログの原稿倉庫です。
Efficacy and adverse events of antimuscarinics for treating overactive bladder: network meta-analyses.
Buser N, Ivic S, Kessler TM, Kessels AG, Bachmann LM.
Horten Center, University of Zurich, Switzerland.
European Urology 62(2012) 1040–1060.
何がタイムリーかというと、スカンジナビア泌尿器科学会(NUF)の製品展示会場で何の薬のコマーシャルをしているのかすばやく理解するためには、 薬の一般名を英語(ローマ字表記というべきか)で知っておく必要があるからです。
日本での先発品の商品名をあてると、
ポラキス oxybutynin,バップフォー propiverin,ベシケア solifenacin,デトルシトール tolterodine,ウリトス・ステーブラ imidafenacin,トビエース fesoterodine,ネオキシテープ oxybutynin TDS
頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁、それぞれで有意(危険率5%以下)に効果があった薬を効果が強い順に並べると(あくまでこのメタアナリシスの結果ですが)は、
頻尿改善では、fesoterodine>solifenacin>oxybutynin>propiverin>tolterodine
尿意切迫感改善では、propiverin>fesoterodine>solifenacin>oxybutynin>tolterodine>imidafenacin
切迫性尿失禁改善では、oxybutynin>solifenacin>propiverin>fesoterodine>tolterodine>imidafenacin という結果でした。
95%信頼区間が0をまたいでいる(つまり改善してない、との仮説を否定できない)ものは、平均値が優れているものでも、このリストから除外しました。
長く使われているoxybutynin、propiverinは症例数で有意差が出やすく、 世界レベルではあまり使われていないimidafenacinは有意差が出にくいわけです。
2013年8月12日の院長ブログ原稿