木村泌尿器皮膚科

〒224-0032 横浜市都筑区茅ヶ崎中央51-1 TEL 045-949-3066

超音波医学会専門医。腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意です。 膀胱炎・尿道炎・男子不妊症では、院長自身が顕微鏡検査(尿・精液)を行います。 ここは、院長ブログの原稿倉庫です。

OAB治療薬の一般名


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

先週タイムリーに、solifenacinのMRさんが、抗コリン剤の効果と副作用をメタアナリシスした論文を持ってきてくれました。

Efficacy and adverse events of antimuscarinics for treating overactive bladder: network meta-analyses.
Buser N, Ivic S, Kessler TM, Kessels AG, Bachmann LM.
Horten Center, University of Zurich, Switzerland.
European Urology 62(2012) 1040–1060.

何がタイムリーかというと、スカンジナビア泌尿器科学会(NUF)の製品展示会場で何の薬のコマーシャルをしているのかすばやく理解するためには、 薬の一般名を英語(ローマ字表記というべきか)で知っておく必要があるからです。

日本での先発品の商品名をあてると、
ポラキス oxybutynin,バップフォー propiverin,ベシケア solifenacin,デトルシトール tolterodine,ウリトス・ステーブラ imidafenacin,トビエース fesoterodine,ネオキシテープ oxybutynin TDS

頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁、それぞれで有意(危険率5%以下)に効果があった薬を効果が強い順に並べると(あくまでこのメタアナリシスの結果ですが)は、

頻尿改善では、fesoterodine>solifenacin>oxybutynin>propiverin>tolterodine

尿意切迫感改善では、propiverin>fesoterodine>solifenacin>oxybutynin>tolterodine>imidafenacin

切迫性尿失禁改善では、oxybutynin>solifenacin>propiverin>fesoterodine>tolterodine>imidafenacin という結果でした。

95%信頼区間が0をまたいでいる(つまり改善してない、との仮説を否定できない)ものは、平均値が優れているものでも、このリストから除外しました。

長く使われているoxybutynin、propiverinは症例数で有意差が出やすく、 世界レベルではあまり使われていないimidafenacinは有意差が出にくいわけです。

2013年8月12日の院長ブログ原稿


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