泌尿器科医・木村明の日記


鳥類住血吸虫によるセルカリア性皮膚炎


先日、田植えを体験した後に、足首に湿疹ができて痒くなった、内科でステロイド外用薬を処方してもらって随分良くなった、

同じイベントに参加した友達も同じ症状があって、皮膚科を受診したら、鳥に寄生するセルカリアによるものだ、と説明されたそうで、自分も詳しい説明が聞きたくて来た、

という方が受診されました。

全然知らない病名です。

「皮膚疾患 最新の治療」のクリーピング病のページを開いて、

「ここにセルカリアというのは出ていないから、たぶん人間の体の中ではそのセルカリアは生きていけないんでしょう。

「なので、他の虫刺されと同じステロイド外用薬でいいはずです。でも今夜勉強して間違っていたら、電話しますね。」とお話しし、ステロイド外用薬を処方しました。

セルカリアで検索して最初に出てきたのは、日本住血吸虫という病名。びっくりしましたが、その宿主の貝は根絶できて、今日本に日本住血吸虫はないとのことで、ほっ!

さらに、ググってみたら「鳥類住血吸虫によるセルカリア性皮膚炎」が出てきました。人間に寄生する病気ではないことが分かりました。

治りかけている湿疹をわざわざ私に見せに来てくださり、知らなかった病名を教えてくださり、ありがとうございました。