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悪人のいないストーリーは難しい


ウオノメのページを作り直しました。今週、患者さんへの説明で一番苦労したのがウオノメだったので。
皮膚科の病気で、水虫やヘルペスなど、外敵が原因の病気の説明はやさしいし、腫瘍などの悪い細胞が原因の病気の説明も簡単です。
湿疹・蕁麻疹などがどうして起こるのかも医学的に説明しようとすると難しいはずなのですが、アレルギーという言葉を使うと分かった気になる人が多く、湿疹・蕁麻疹の説明が難しくて苦労した、という事は、ありません。
ウオノメでは増殖しすぎた角質層が痛みの原因ですが、その角質層を作っているのは、増殖しすぎた角質層のせいで苦しめられている表皮です。
ウオノメは物理的力で生じる病気なので、湿疹・蕁麻疹などより医者にとっては、はるかにわかりやすいのですが、表皮と角質層の関係がわからないと(医学の解剖学を習っていない一般の方に分かるはずはありません)、誰が加害者で誰が被害者か分からなくなります。
悪者がいてそれを退治すればよい獣拳戦隊ゲキレンジャーのような単純な話ならよいのですが、敵も味方も自分の正義感に基づいて行動している仮面ライダー電王のような戦いでは、治療法の説明が困難です。
それで、本日ウオノメのページを作り直したのです。

たかがホームページでも、もう著作権侵害は許されないので、この病理標本写真は自分で撮影しました。分業していた勤務医時代に比べ、開業してからは病理標本もちゃんとみるようになりました。

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