泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。

PVPとCVP


前立腺手術の頭文字。

当院で前立腺肥大症の手術が必要と判断した場合は、昭和大学横浜市北部病院に紹介します。

大きくなければTUR-P、大きければTUEBになるようです。

患者さんで、ネットで独学し、CVPはどうですか、と言われる方が数人いらっしゃいました。

申し訳ありませんが、CVPの長期の治療成績は知りませんので、

積極的にはお勧めしていません。

ネットで見つけた病院に紹介状をかいてほしいと言われれば、

「患者さんがCVPを希望しておられます」みたいな

「私が勧めたわけではない」というニュアンスで書いています。

昔私が勤務医だったころのレーザー手術はVLAPと呼ばれていました。

瞬時に消し去るものではなく、熱変性したものがゆっくり消えるのを待つものでした。

効果はすぐには実感できず、廃れました。

VLAPとはVisual Laser Ablation of the Prostate。

Vはビジュアル。

VLAPが登場したころは、アンテナ付きの尿道留置カテーテルで、

電磁波で電子レンジみたいに前立腺を暖める治療法が盛んだった。

それとの違いを強調するために、見ながら治療します、という意味でビジュアル。

PVPはPhotoselective Vaporization of the Prostate。

緑色のレーザーだということを強調するために、

Pは光選択的のP。

緑色は赤血球によく吸収される。

緑色を吸収するから、血は赤く見えるのです。

CVPはContact laser Vaporization of the Prostate。

VLAPやPVPはレーザーの反射板が焦げ付かないように、

前立腺から離れたところから照射していたが、

CVPは前立腺に接触させる。

CはContactのC。

エネルギーが無駄にならず、蒸散作用が強い。

このページがCVPやPVPというキーワードでヒットしてしまうと、

当院で手術を受けられるのかと誤解して来られることがあるので、

念のために書きますが、当院では、前立腺肥大症の手術は行いません。

 

手術が必要な方は昭和大学横浜市北部病院(センター南駅)に紹介します。

北部病院はレーザー手術はやっておらず、

TUR-PかTUEB。

TUEBのBはバイポーラのB

バイポーラメスなので、生食の中でも使えるメス。

2022年9月14日