木村泌尿器皮膚科トップページへ

「排尿時に違和感がある」

大丈夫ですか?膀胱炎.メトロガイド2月号,p10,2009.


冬場トイレが近くなると「寒さのせい?」と思いがちですが、尿の異常である膀胱や腎臓、前立腺などの病気になっている場合もあります。特に膀胱炎は、尿道の短い女性のトラブルとして起こりがちです。

1、尿をしたとき、最後にしみるような痛みを感じる
2、トイレが近くなった
3、尿に血が混じる
4、排尿後さっぱりせず、残尿感がある
5、尿がたまってくると、下腹部が痛い
6、高熱が出る
<判定結果> 
1~5のうち2項目以上にチェックが入れば、膀胱炎を疑いましょう。特に1と3は細菌性膀胱炎、5は間質性膀胱炎、6は腎盂腎炎の可能性大です。

<Dr.木村の初診所見>
膀胱炎は、大腸菌などの細菌感染による細菌性膀胱炎、感染を伴わない炎症である間質性膀胱炎など一概に膀胱炎といっても、まったく性質の異なるものがあります。 一般的に多いのは細菌性膀胱炎で、大腸菌などが尿道をさかのぼって膀胱に入って起こる、肛門と尿道の距離が近い女性に多い病気です。トイレが近い、残尿感がある、排尿終末時に痛みや血尿が出る、といった症状が特徴です。また、熱が出る時にはすでに細菌が腎盂までのぼってきた腎盂腎炎という症状で、膀胱炎の悪化と思われます。治療法は、水分を十分に摂取して尿量を増したり、有効な抗菌剤を服用すれば三日以内で症状はとれ、また三日間の服用で再発も防げます。下着や陰部をいくら清潔にしても尿道の出口には腸内細菌は必ずいます。細菌が膀胱までのぼりつく前に、排尿する事が最大の予防です。
間質性膀胱炎は、粘膜と筋肉の間にある間質と呼ばれる部分が原因不明の炎症を起こして、伸びが悪くなる病気です。膀胱容量が縮小し、たまった尿で膀胱が充満してきたとき下腹部痛が強く、排尿とともに軽減するのが特徴です。原因が細菌感染ではないので抗生物質は効かず、炎症をおさえる抗アレルギー剤が使われます。麻酔をかけて、膀胱に水を流し込んで拡張させる処置(水圧拡張術)なども行われ ますが、難治例が多い病気です。抗生物質を何種類も処方されても下腹部痛が続くようなら、詳しい専門医を受診しましょう。

<木村 明 きむら あきら>
1978年東大医学部卒業。前立腺の超音波診断で1984年医学博士。東大泌尿器科医局長・東大講師・東京共済病院部長などを経て、2005年に横浜市営地下鉄センター南駅前で木村泌尿器皮膚科を開業。泌尿器科学会専門医・超音波医学会専門医。〒224-0032横浜市都筑区茅ヶ崎中央51-1センター南医療ヴィレッジ 木村泌尿器皮膚科tel:045-949-3066 診察日:月火水金9:30~12:30 15:30~18:30 土 9:30~14:30 休診日:木・日祝日