1980年1月より1985年8月までの間に経直腸的超音波断層法にて軽度の前立腺肥大症と診断され非ホルモン剤を投与された患者は178例あった。
このうち68例は2週間から3カ月にて来院しなくなった。81例は6ヶ月から5年の間に2回から6回の超音波検査を受けていた。 これらの症例につき前立腺重量集計したところ 以下の知見を得た.
1 来院しなくなった患者68例の前立腺重量は 22.3+-9.0グラムgであり, 経過観察できた81例のそれと有意差はなかった.
2 経過観察できた81例において前立腺重量は初回の21.1+-7.9gから終回の25.0+- 9.7gへと増加していた.
3 前立腺重量が10%以上減少した例は81例中13例のみであった.
4 前立腺重量は連続的に増加するのではなく ある時点まで不変もしくは増加が緩やかでありその後急速に増加するようであった。