初診日の検査

尿検査の後、前立腺マッサージによって前立腺分泌液を搾りだします。
分泌液の細菌検査に提出します(結果は2回目の診察の時にわかります。)
前立腺分泌液のなかに白血球がでているか顕微鏡で見ます。その場で結果が出ます。
すでに他院で抗生物質を処方され、内服している最中だと正しい診断ができません。未治療症例が対象です。
受診時に他院で処方された抗生物質を飲まれている方では、正確な診断がつかないので前立腺液の検査は行いません。
つまり、抗生物質内服中の方が当院を受診されても、問診だけとなります。
だからと言って、主治医に相談することなく独断で抗生物質を中止しないでください。
まずは、今の主治医の治療が完結するまで、ドクターショッピングはしないでください。
すでに2か所以上の医療機関で治療を受けられた既往のある方は、平日5時ごろにいらしてください。
混んでいる時間帯だと、病歴をゆっくりお聞きすることができません。


初診日の処方

白血球が陽性なら、慢性細菌性前立腺炎もしくは非細菌性前立腺炎ですので、抗菌剤を1~2週間分処方します。
白血球が陰性なら、前立腺痛ですので、セルニルトンを1~2週間分処方します。

2回目の検査

分泌液の細菌検査の結果が判明しています。
菌も陽性なら慢性細菌性前立腺炎、菌が陰性なら非細菌性前立腺炎です。

慢性細菌性前立腺炎であれば、初診時に処方した抗菌剤の治療効果判定のために、前立腺マッサージと前立腺分泌液検査を行います.

非細菌性前立腺炎・前立腺痛では、前立腺エコー検査と尿流測定検査を行います。 前立腺周囲の静脈洞が開大していれば、骨盤腔内の血液の循環が悪いいわゆるうっ血状態を意味しています。

2回目の処方

慢性細菌性前立腺炎と診断された方は、細菌検査で感受性が判明していますので、それを参考に、抗生物質を処方します。
非細菌性前立腺炎・前立腺痛と診断された方で静脈洞の開大を伴う前立腺痛の方には、漢方薬の(駆オ血剤)(桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散、桃核承気湯など)を処方します。静脈洞の開大を伴なわない方と比較すれば、僅かですが良好な治療成績が得られています。
骨盤内のうっ血状態が関与していない方(このページの2以下)には、セルニルトンを続行するか、頻尿、残尿感、会陰部痛、陰嚢部痛のどれが最も苦痛なのかをよくうかがった上で、その症状にあう薬を処方しますが、当院の治療成績はよくありません。
すでに数箇所のクリニックで治療を受け、他院で過活動膀胱治療薬α1ブロッカーを処方され無効だった患者さんが多いためです。

3回目以降

慢性細菌性前立腺炎の方は前立腺分泌液検査を行いながら細菌が陰性化するまで抗菌剤を投与します。
漢方薬を処方した方は、効果があった方には同じ薬を、なかった方には別の漢方薬(駆オ血剤)を処方します。
うっ血がない方でセルニルトンの効果がない方には、症状を軽快させる有効な手立ては当院にはないこと、ただし細菌感染ではないので、恐怖心を持たないようにしてほしいことだけをお話し、当院での治療は終了とさせていただいています。
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以上はパソコンでA4用紙に印刷するためのものです。
スマホ時代には役立たないページとなりました。
スマホの方は当院での慢性前立腺炎の治療手順をご覧ください。