前立腺がん・前立腺肥大症・PSAのページ

横浜市都筑区木村泌尿器皮膚科院長の木村明の日記とQ&A集から前立腺がん・前立腺肥大症・PSA関連を抜粋。

前立腺肥大症

  一般的に男性は年をとってくると、若い頃に比べて尿がでにくくなります。その原因の中でもっとも多いのが、前立腺肥大症です。  前立腺は膀胱のすぐ下にあるクルミぐらいの大きさの臓器で、精のうと一緒に精液をつくる役目を果たしています。そして、この真ん中を通っているのが尿道です。  年をとるにつれて、前立腺はだんだん肥大していきます。そのために尿道が圧迫されて、尿が出にくくなります。

症状

 前立腺肥大症の症状は,尿がすぐ出ない,少ししか出ない, 出始めてから時間がかかる,尿をした後もスッキリせず、のこっているような感じがする(残尿感),トイレが近くなり、特に夜間に行く回数が多い(夜間頻尿),股の間(会陰部)に圧迫感がある,などで,こうした状態を長い間放っておくと肥大が進み、膀胱に残る尿の量が増え、感染や腎不全などの病気を引き起こすことがあります。  したがって、こういう異常に気づいたら、早めに泌尿器科を受診して下さい.

診断法

尿の出の程度を点数で表す採 点表が診療の場でつかわれてい ますが、ご自分で採点できます ので、排尿の悩みが簡便に客観 的に把握できるので便利です。 採点表を別掲しましたので、そ れぞれの質問項目に答えて合計 点数を出してみましょう。
 7点もしくはそれ以下の点数 であれば軽度、8から18点が 中等度、19点以上は重度の症 状と判定されます。また、15点 以上であれば、診療を受けるほ うがよいと判断されます。ただしこの表はあくまでも主観的なもので 個人差が大きいことも分かっています。
このほかに、自分で判断でき るテストとして、尿の勢いを調 べる方法があります。
トイレに、秒針つきの時計と 計量カップを用意しましょう。 計量カップは、紙コップにご自 分で100ミリリットルと200ミ リリットルのところに目盛りを つけるのでも十分です。
さて、紙コップに排尿して、 出始めから出きるまでの時間を 測ります。そして、尿の量を排 尿の時間(秒)で割ります。
 たとえば、200ミリリットル 排尿するのに30秒かかれば、 200割る30で6・7。つまり、 1秒あたり尿が流れる量(平均 尿流率)は6・7ミリリットル というわけです。
この数字が毎秒5ミリリット ル以上であれば、まず安心です が、5未満だったら、何回か測定してみてください。排尿量が少ないときは,尿流率も低くなることがあるからです。

病院での検査

尿流測定

専用の装置を用いて尿の勢いを正確に調べる。平均尿流率だけでなく、尿線が途切れたりする様子も記録される。

直腸診

前立腺は直腸のすぐ前にあるので、肛門に指を挿入すると、大きさや硬さを調べることが出来る。

超音波

肥大症でルーチンに行われる画像診断法は,経腹的超音波診断である.超音波診断は前立腺の大きさを正確に計測でき,癌と肥大症の鑑別にも役立つ.

治療法