腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波医学会専門医。
間もなく発売されるAGA治療薬ザガーロ(一般名デュタステリド)は前立腺肥大症治療薬アボルブと同じものです。
プロペシア(一般名フィナステリド)もまず前立腺肥大症治療薬として開発されました。
アメリカではプロスカーという名前で発売されましたが、フィナステリド5mg錠でした。
その後フィナステリドはAGAにも効くことが分かり、プロペシアとして発売されました。
プロペシアの用量はフィナステリド1mgでした。
プロスカーは日本での治験データが不備で、日本では承認されませんでした。
なのでプロスカー(フィナステリド5mg)がどれくらい前立腺を縮小させるかの経験はありません。
AGA治療薬プロペシアは前立腺肥大症治療薬プロスカー5分の一の用量だ、という説明がくどくなりました。
当院では今までにプロペシアを300人に処方しましたが、射精障害の副作用はありませんでした。
来院されていない方になぜ中止したのかは聞いていませんが。
今度AGA治療薬として発売されるザガーロはアボルブと同じ用量です。
ザガーロは挙児希望のない40代に処方すべき、と考え始めています。
当院でアボルブを処方した人は70人。
ハルナールを処方した人数の10分の一に過ぎませんが、
前立線が縮小し、PSAが低下することを実感しました。
前立線は精液を作るところです。子作りする人の前立腺が縮んでよいの?
PSAは精液のたんぱく質が血液に流れ込んだもの。
PSAが下がるということは前立腺で作られる精液も減るの?
子作りする人の射精量が減るのは、ちょっと問題かな、とも思うのです。
50代以上の人で排尿の症状がある人には、
ガイドラインに則った検査をして、
前立腺肥大症と診断されればアボルブを保険で処方することになると思います。
なので、ザガーロは40代だけですかね。