自己導尿は、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気のため、自分で排尿できない方が、自分でカテーテルを尿道から膀胱に入れて尿を排泄する方法です。

膀胱の神経が麻痺していない前立腺肥大症のような方では、尿意を感じても排尿できないときに
神経因性膀胱などで、尿がたまった感覚も分からない方には、時刻を見て定期的に、
間欠自己導尿をしていただきます。
両手が麻痺していないことが自分で導尿するための条件ですが、尿道留置カテーテル(カテーテルを入れっぱなしにしておく)よりは快適な生活が送れます。
カテーテルを挿入するときの痛みも、尿道留置カテーテルがいつも入っている状態に比べれば軽度です。尿道留置カテーテルが入っていると、自分で排尿できるか試す事ができませんが、間欠自己導尿ではまず排尿しようとチャレンジして出ないときのみ、導尿する事が可能です。実際、自己導尿を行いながら、排尿にチャレンジしているうちに、導尿が不要になる方もいらっしゃいます
使用するカテーテルには、消毒液の入ったケースに入れておくタイプのものと、


一回ごとに使い捨てるディスポーザブルカテーテル

とがあります。写真はテルモ:サフィードネラトンカテーテル12Fr・14Fr 2穴式 長さ33cmのもの。Frはフレンチと読み、フランス式の太さの番号で、12Frは直径4mm、14Frは4.67mm(14/3=4.67)。3分の1mmずつ増える番号です。
細かい手技や使用する薬品・器具にはいろんなバリエーションがあるようです。
これは患者さんを指導する医師や看護師の工夫の結果だと思います。

当院では、自己導尿カテーテルを使う場合に関しては、ベンザルコニウム・グリセリン液(グリセリンBC液「ヨシダ」)をカテーテルケースに入れるように指導しています。
亀頭及び手を清浄綿で消毒し、カテーテルケースから取り出した自己導尿カテーテルを右手に持ち、左手で亀頭を支え、カテーテルを尿道に挿入します。

一方、ディスポーザブル(一回ごとに使い捨て)カテーテルを使う場合に関しては、包装から取り出したカテーテルの尖端に

キシロカインゼリーを数mLぬってから、尿道に挿入します。この場合も、亀頭及び手の消毒は清浄綿で行っていただきます。
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