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ホルモン薬を使うとPSAが下がるのはなぜ?
Q.59歳。3月に前立腺全摘手術を受けた。
毎月の検査で、PSAが0・18→0・3と上昇。カソデックス治療を始め、その後PSAは0・12→0・15。
そもそも前立腺を全摘したのに、PSA(前立腺特異抗原)が上昇するというのは、つまり、どういうことなのでしょうか?
A.前立腺は精液を分泌するのが役目で、PSAは精液蛋白の一種です。
前立腺を全摘したのに、PSAが0にならなかったということは精液を分泌している細胞、すなわち前立腺細胞がいるということです。
前立腺癌細胞がいるとは限りません。
Q.抗ホルモン薬を使うとPSAが下がるのはなぜでしょうか?
A.前立腺細胞に精液(PSA)を作れと命令しているのは、精巣から分泌されている男性ホルモンです。
カソデックスは男性ホルモンが前立腺細胞に作用するのをブロックするので、前立腺細胞は精液(PSA)を作らなくなります。
Q.抗ホルモン薬は、いつまで、続けなければならないのでしょうか?
A.手術で取りきれなかった場合は、ホルモン療法を継続するか、あるいは放射線療法をするしかありません。
ただし、PSAが0.3の段階ではどんな装置を用いても、どこにがん細胞があるかは映し出すことはできません。
たぶん、膀胱と尿道をつないだところ付近だろうと推測して、放射線をあてる医師と、ホルモン療法を継続する医師とがいます。
どちらの治療法がよいかの結論は出ていません。