木村泌尿器皮膚科

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センチネルリンパ節生検のような方法は、前立腺癌の場合難しいのでしょうか?


Q.父親がStage Cの進行性癌で6月に全摘手術を受けます。

ダビンチ手術

PSAは過去6ヶ月10前後で推移しております。浸潤の可能性があり、その場合には、全摘手術の際にリンパ郭清を行う旨主治医から説明を受けております。 リンパ郭清は必ず行わなければならないものなのでしょうか?リンパ浮腫のリスク、術後のQOLを考えて、リンパ郭清を行わない、或いはできるだけ少なくする、という選択詞はあるのでしょうか? 例えば、センチネルリンパ節生検のような方法は、前立腺癌の場合難しいのでしょうか?御指導賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

A.「センチネル(前哨)リンパ節」は乳がんでは有名な概念で、がんが最初に転移するリンパ節を探して組織を調べ、がん細胞があれば、周囲のリンパ節も切除するが、がんがなければ「転移なし」と判断、切除しない、というものです。乳がんでは、わきの下のリンパ節を全部取ると、手術後に腕がむくんだり、上がりにくくなったりしますから、リンパ節の切除範囲は狭いほどいいわけですが、前立腺がんの場合に切除するリンパ節は、前立腺を摘出するための傷から取れる範囲のものだけですし、そのために下肢がむくんだりすることもありません。 腹腔鏡で前立腺を摘出する手術の場合は、視界が限られるためリンパ節切除を省略することがあります。PSAが低く、悪性度も低くて転移している可能性が限りなく低い時ですが

Q.先生、リンパカクセイの件、週末にも関わらず御回答を頂戴し、誠に有り難うございました。 術後3週間の入院期間にしっかり休ませて後遺症などがないよう努めさせます。また色々と御相談に乗って頂くことがあると思いますが、今後とも宜しくお願い申し上げます。