木村泌尿器皮膚科院長

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グリアソン6でも3×3であるのと、4×2であるのとでは悪性度が違う


Q.主人は今、ブラジルに単身赴任中、57歳です。

父

定期検査でPSAが4.5となり、前回3.8より上がっていました。念の為、と言う事で生検を受け、針を21本入れ組織を取りました。その結果、外線の左側から小さい腫瘍が見つかりました。取った組織(1mm×8mm)の5%。もう一つは1%と非常に小さい腫瘍です。

前立腺針生検

グリソンスコアは6、中等分化型です。超音波の写真ではH(直腸に近い部分5%)に黒くなっている部分が見られる(1㎝×0.3cm)と言われ、摘出手術(恥骨下)を勧められました。後2年、駐在しなければなりません。経過観察で見守り、2年後帰国して手術という事は出来ませんか?

ダビンチ手術

A.経過観察、という手ももちろんあります。ただ2年後も前立腺内だけに癌がとどまっている限局癌である、かどうかは誰にも保障できないと思います。もちろん、今の段階でも限局癌である保障はないわけですが。

Q.この癌は初期でも骨への転移が早いと聞いていますので、私共もそれが一番怖いです。 今日、思い立ち、病理の報告書をそのまま持って、近くの大学病院へ相談に行きました。 中分化でも、おとなしい癌ですね、と言われました。グリアソン6でも3×3であるのと、4×2であるのとでは悪性度が違うのだそうです。

グリーソンスコア

 少し安心しました。 しかし、ご指摘の通り、時期を逸しては大変ですから、2年等と呑気なことを言ってはおれません。今後は、PSAでしっかり観察しながら、摘出手術に向けて準備して行くつもりです。 いつか、いい報告が出来たら、と願っています。 有難うございました。