が勤務医時代に作ったサイト
C型肝炎のキャリアであることが分かり、病院側が院内感染を恐れて手術は出来かねると急に方針を変えてきたそうです。
Q.木村先生のHPを拝見して、丁寧で暖かいお人柄が伝わり、是非ご相談させて頂きたく初めてメールさせていただきます。
66歳の義父が前立腺がんで、最初の診察では手術を勧められていました。
(ステージB。8つ細胞を取ったらすべてにがん細胞が見つかり、リンパには転移が見られないとの事。珍しい事のようですが・・・)
本人は手術は嫌なので内分泌療法による治療を希望しましたが、家族や主治医の勧めで手術をする決心を固め、手術の日程も決まっておりました。
ところが血液検査によってC型肝炎のキャリアであることが分かり、病院側が院内感染を恐れて手術は出来かねると急に方針を変えてきたそうです。あんなに手術を勧めていた先生が急に歯切れが悪くなり、家族は納得できないでおります。もう一度詳しい血液検査を行い、結果によっては手術が出来ないということですが、そんな事はありえるのでしょうか?手術・院内感染のリスクと投薬による治療を天秤にかけたら投薬でも良いのかな、という事かと理解しておりますが、最初に手術を勧めていたことを考えると不信感が募ります。強く希望すれば手術を拒否する権利はないと思いますが、このようなケースは良くある事なのでしょうか?納得のいく治療をしていただきたいので、この病院の対応は一般的なものなのか、教えていただけたら幸いです。
A.手術のQ1、Q2に書いた通り、まだ日本人のデータでは、前立腺全摘出が生存率を改善するという結果は出ていません。それが、日本人医師の治療法の説明の歯切れの悪さの原因だと思います。
このページの図の、尿道を縫うところは、静脈(図ではちゃんと縛ってありますが)の出血が続いている中で行わなければならないことがあります。術者の左手で探りながら、針をかけることもあります。針で自分の手を刺すこともあります。私の同期の医師は、都立病院に勤務していたとき、針刺し事故でC型肝炎となり、半年入院しました。開腹手術より、腹腔鏡下前立腺全摘のほうが針刺し事故のリスクは少ないかもしれません。
Q.お忙しい中、早速のご返答ありがとうございます。なかなか判断が難しいのですね。後は主治医を信じ、本人の意思を尊重して決めていくしかないのですね。納得できないでいた部分が少しずつすっきりとしてきました。感謝致しております。明日血液検査、8月8日に検査結果という事で、本人かなり精神的にくたびれているようですが、木村先生からの情報も伝えてできるだけのサポートをしていきたいと思います。ありがとうございました。
Q.こんばんは。以前C型肝炎の疑いで手術が出来ないかも・・・とのご相談をさせていただきましたものです。改めての検査の結果、C型肝炎ではないことが分かり、9月に手術できる事になりました。当初の予定から1ヶ月遅れての手術となりましたが、みんなほっとしております。またご相談させていただく事もあるかも知れませんが、よろしくお願い致します