木村泌尿器皮膚科

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「ホルモン+放射線治療」で10年


Q.7月21日に、人間ドックの検査結果でPSA31と、触診の結果から、「前立腺癌」との判断を受けました。その後、8月3・4日に生検を受け、結果は採取した6ヶ所全部から癌組織が発見され、評価は4+3=7との事でした。次にCT、骨シンチグラム、MRI検査を受けました。 検査結果では 骨、リンパ節への転移は無い。
骨シンチ
ステージC。精嚢腺に病巣有り。 治療方針としては、ホルモン治療+放射線治療を薦められました。 以上のような経過で参りましたが、疑問として *ホルモン+放射線治療では、完治しないとの事でしたが、前立腺+精嚢腺摘出手術で完治するとすれば、夫々のメリット、リスクをどの様に考えれば良いのでしょうか?

A.このページに”手術前の病期診断と手術後の病理検査でわかる病期とは必ずしも一致しない。特に顕微鏡で見て初めてわかるようなリンパ節転移が、手術前には診断できないことは少なくない。 術後の病理検査でリンパ節転移が発見される割合は、病期A2で3.3-53%、B1で5.3-17%、B2で5.3-29%、Cでは53-56%と報告されている。”と書いた通りです。ところでチビ-タさんは本当に患者の友人ですか?チビ-タさんは本当は泌尿器科医で、私の実力をテストするための出題されたような感じです。”Partinのnomogramによれば、PSA31、6ヶ所全部から癌組織、グリーソンスコア4+3=7の場合の、リンパ節転移率は30%、摘出標本の断端陽性率は90%です。”と答えたら合格でしょうか?
グリーソンスコア

Q.『泌尿器科医?』との御問い合わせには、こちらもビックリ致しました。仕事に付きましては、御暇な折に私共のHPを御訪問いただければ『な~んだ』と、お分かり頂けると思います。 戴きました御答えは  *手術をして、実際に患部を見てみないと、転移の可能性が無いとは言えない・・!*と言う事ですね。  今日『ラッキー』本人が会いに来まして、2週間内服する薬が「カソデックス(80MG錠)」だと言う事です。これはどんな薬でしょうか?  何もしなければ2年の余命、「ホルモン+放射線治療」で10年の「自由生活可能時間」を目指しましょう・・との担当医師の話だったそうです。 そこで今回お聞きしたいのは **外科的に手術をした場合に起こり得る生活上の問題点としては、どのような事が予想されるのでしょうか? 患者さんのHP等を見ますと「排尿困難」「合併症」などの事例が出て来ますが・・・。 担当医が、オープンな考え方の方で「セカンド・オピニオン」にも応じますと仰ってくださり、私達がHPや本などで得た知識に対しても、冷静で明快な回答を出してくださるので、安心感を持ちながら治療に入れそうです。  勿論、こうして、患者の不安感や焦燥感に、真摯に人間的に情報を公開し、対応して下さる先生に対して、限りない信頼感を抱いております。有難うございます。 また検査結果など出ましたら、質問をさせて頂きたく思っております。 宜しくお願い致します。

A.HPにもお邪魔しましたが、写真に写っているワンちゃんの職業がわからず、つい疑ってしまいました。このような無料医療相談の弊害が学会で議論される時代になってきているのです。覆面審査員が試験をして、正解者にはマル適マークが学会から与えられる、という時代が来るかも。カソデックスは抗男性ホルモン剤です。stageCには、手術はしません。出血を伴う大手術ですし、4-6週間の入院が必要だし、いずれ直るとは言っても、尿失禁になるし、それで根治的に切除できないのなら、医者は薦めません。

Q.情報が公開されると、予想もしなかった事が起こって来たりする物ですね。ワンちゃんの職業は「接待交際業」です。そのボスは作曲家で、母さんはピアノの先生です。手術により前立腺癌が完治したとしても、それによって起こってくる不自由の方が、「人間らしい生活」にとってマイナスになる可能性が遥かに大きいのですね。 有難う御座いました。
母さんはピアノ

Q.先生、御無沙汰をしております。その後の御報告を,すっかりと忘れてしまいまして,申し訳ありませんでした。その後は、ホルモン療法を開始しており、今月初頭にはPSA値が、14にまで下がってきました。副作用も、「ボーっとする」程度で、仕事も順調にこなしている様子です。私共の疑問に,丁寧に御答えを戴きました御蔭もありまして「この病気と,上手に付き合って行こう」と、ゆったりとした気分で、毎日を過ごせております。大変に遅くなりましたが、心よりの感謝と信頼をお伝えしたいと思います。有難う御座いました。ホームページ更新致しましたので、お疲れ休みの時にでも,お出かけ下さい。