院長が勤務医時代に作ったサイト
ただ死期を待つのはイヤ
Q.私の父(63歳)についてお尋ねします。
父は、昨年末~今年初めに2度高熱が続き、以前からの腰痛がさらに激しくなったために、検査を受け、前立腺ガン(ステージD、腰・頭・肩の骨に転移)と診断されました。
毎年人間ドックに入り、健康に気をつけていたのに、発見された時には既に末期・・・ということが、悔しくてたまりません。
一般の人間ドックではガンは発見できないのでしょうか?
現在は月1回の注射と毎日の内服薬のみの治療なので、なんだかもどかしく、民間療法や食事療法にもすがりたい心境です。
これらを併用しても大丈夫でしょうか?父は狭心症でも有るのですが・・・。
検査結果は父本人が告知され、家族はそれを父の口から聞いただけなので、気持ちが落ち着き次第早めに病院に足を運ぶつもりですが、聞くのが怖いのが本音です。
末期の前立腺ガン患者の家族が、これから心がけたほうが良いことが合ったら、教えてください。
告知されてまだ1週間なので、各自が心を落ち着けることと、本を読み漁っているのが現状です。
Q.2度目の書き込みです。昨日、担当の先生に父の結果を聞いてきました。前立腺ガンについて、分かりやすく説明していただき、全身のレントゲン写真も見せていただきました。背骨・腰骨は、真っ黒で、肩と頭に黒点が写っていました。
「黒い部分は前立腺ガンの影響を受けている部分なので、大変折れやすくなっています。くれぐれも気をつけるように。」と言われ、改めて病気の重みを感じています。ただ、PSA値は8.8で、そんなに高値ではないようです。これらの説明は父の目前で聞いたためか、先生は〔ガン〕〔転移〕〔末期〕〔余命〕等の言葉を避けて話してくださり、「前向きに、気長に病気と付き合っていきましょう。」と話され、核心を突いた内容は聞けませんでした。
が、本を読む限りでは、ステージDだと、〔5年間の生存率は20~30%〕〔ホルモン治療の1回/月の注射と内服薬はよく効くが、4年くらい続けると効かなくなる〕など、シビアな内容が書かれているので、本当に気長に構えてても良いのだろうかと考えてしまいます。家族だけで、改めて先生に面会したほうがよいでしょうか? 疑問は尽きません。
A.PSA値は8.8、というのは、治療した後の最近の話でしょうか。治療前はいくらだったのでしょう。2000ぐらいだったのが8.8まで下がったのなら、かなりよく効いたということになります。 もし、治療前のPSA値が8.8だったのなら、ホルモン療法の効きにくい低分化癌である可能性が高く、質が悪いかもしれません。
A.補足説明です。 前立腺は男性ホルモンの命令で精液を作るところで、 PSAは精液のタンパクの一部が血液に流れ込 んだものです。 前立腺がんは、精液のタンパク をつくる性格や男性ホルモンの影響を受けて増殖する性 格を持ったまま癌化するものがほとんどです。しかし、 中には悪性度が強くホルモン療法が効かず、PSAも低い 癌細胞もいます。
Q.早速のお返事を、ありがとうございます。PSA8.8は、初めて〔前立腺ガン〕と言われた時の数値です。そのときに初めて月1回の注射を受けたはずです。前回までのメールでも書きましたが、骨のレントゲンを見る限りでは、背骨は真っ黒でした。が、先生は「気長に様子を見てみましょう」と言われたので、家族は安心していました。悪性かどうかは、いつどのような段階で判断できるのでしょうか? 素人の質問内容で申し訳ありませんが、丸山ワクチンなどの民間療法も試してみたいのですが、これまでの治療との併用は可能でしょうか? 何もせずにただ死期を待つのはイヤな家族の心境をお察しくださって、お返事をお願いいたします。
Q.PSA8.8は、注射・内服前には間違いないようですが、ガン検査を受けた時は16だったそうです。ガン検査の当日から、結果がわかるまでは、何かはっきりわかりませんが、薬を処方していただいて飲んでいました。
A.治療前のPSAが低い場合は、ホルモン療法が無効なことがあります。かといって、民間療法はお薦めできません。
特に、高額なお布施を要求するような新興宗教の餌食にならないで下さい。丸山ワクチンは効果は分かりませんが、費用もそれほど高くなく、副作用もありませんので、本人および家族の、心の支えとしては向いていると思います。