バイアグラ・レビトラ・シアリス
（病名）勃起障害（ED：Erectile Dysfunction）
（治療・予後）機能性の人には，性交は必ず可能になることを強調して自信をもってもらうよう、カウンセリングを行います。薬物療法には、経口薬のバイアグラ・レビトラ・シアリスなどのホスホジエステラーゼ５阻害剤があります。EDの原因は、ほとんどの場合、勃起に必要なだけの十分な血液が陰茎にいかないことにあります。ホスホジエステラーゼ５阻害剤は陰茎の海綿体（勃起時に血液で満たされるスポンジのような構造物）の平滑筋を拡張させる作用があります。通常ホスホジエステラーゼ５阻害剤を性交１時間前に服用します。有効率は約70％です。ただし、内服しただけで勃起が起こるわけではなく、性的刺激という引き金が必要です。狭心症などで、亜硝酸化合物（ニトロールなどの虚血性心疾患治療薬）を服薬している人は、ホスホジエステラーゼ５阻害剤を使用してはいけません。ホスホジエステラーゼ５阻害剤が亜硝酸化合物の作用を異常に高めて、低血圧からショックになることがあるからです。
器質性の人にも、まずホスホジエステラーゼ５阻害剤を処方します。ホスホジエステラーゼ５阻害剤が無効な場合には
１）陰茎海綿体内に性行為前に血管拡張薬（プロスタンディンなど）を注射
２）陰圧式勃起補助具を使用
３）陰茎海綿体内にプロステージスを挿入
などが行われます。３）はシリコンなどでできた心棒を陰茎海綿体内に手術で植え込むものですが、日本ではあまり普及していません。
