無床診療所での日帰り前立腺生検1年間の成績
平成18年10月19-21日 第71回日本泌尿器科学会東部総会(東京)
木村 明
【目的】当院は2005年4月に開業した。2006年3月までに当院で実施した日帰り前
立腺
生検につき、成績を集計した。
【方法】1年間に24例に生検を実施、直近のPSA
値
は6.75から122.6で、年齢は37歳から82歳であった。抗生物質を点滴しながら、仙
骨
ブロック下に行った。下剤の処方・浣腸・直腸粘膜の消毒は行わなかった。経直
腸的
超音波プローブを使用し、横断像を表示しながらperipheral zoneを狙って、経直
腸
的に6箇所生検した。生検針はバード社のモノプティ18G ストローク幅22mmを使用
し
た。
【結果】検査中の痛みは軽度で痛みのために目的の本数を採取せず中止
した
症例はなかった。生検直後の直腸診にて直腸内出血を全例に、検尿で軽度の血尿
をほ
ぼ全例に認めたが、全例30分後に徒歩にて帰宅し、帰宅後のトラブルはなかった
。24
例中13例に癌が発見された。PSA値が10未満の9例中5例に癌が発見された。
【
考
察】peripheral zoneを狙った6箇所生検は高度の血尿を起こすことはなく、無床
診療
所でも安全に行える手技であった。Transition zoneを生検しなくても、癌検出率
も
高かった。
Q&A
Q:横断像で左側を穿刺するのはどうするのか?
A:直腸内に入れたプローべを180度回転し、画像表示の左右反転ボタンを押せばよい。