

私の著書 「尿の悩みを解決する本」 <教育書籍> (千円) の下書き原稿
ここでもう一度,?ページに戻って,男性と女性の膀胱の出口のところの違いを復習しておいて下さい.男性の尿道というのはほぼ20cmの長さで,しかもまわりをいろんなものが取り囲んでいて,しっかり固定されています.一方,女性の尿道は約3cmのストンとした管で,しかも後ろにある膣は壁が薄く,出産や老化でゆるみやすいのです.
腹圧性尿失禁が,女性にだけ起こるのは,このような構造の違いのためです.その代わり男性は膀胱の出口にある前立腺(精液を作っている所で女性にはありません)が年齢とともに大きくなって,排尿困難をおこすことがあります.この次に説明する前立腺肥大症という病気です.それを考えれば,男女とも一長一短というところではないでしょうか.
念ながら今はまだ有効な薬が多くありません。塩酸エフェドリンという交感神経を刺激する薬が尿道の筋肉をしめる作用をしますが,血圧を上げることがありますので、高血圧の方には使えません。交感神経は動物が戦うときに活発になる神経で,動物は戦いながらおしっこはしませんが,脈拍は多くなって,血圧も上がっています.
抗コリン剤が、かなりの場合、有効です。抗コリン剤とは、副交感神経の邪魔をする薬で,膀胱を収縮させる神経の働きを抑えて、膀胱が勝手に収縮するのを止め、膀胱容量をふやす薬です。副交感神経は動物が戦わないときの活動,食事,排便,排尿に関係しますので,抗コリン剤を飲むと、口がかわき、便秘が起こることがあります。通常はそのまま、
