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私の著書 「尿の悩みを解決する本」 <教育書籍> (千円) の下書き原稿

 なぜこのような装置がドイツで開発されたかというと,戦時中、ドイツの戦闘機のメーカーが、潜水艦はこわさずに中にいる人間だけを殺す超音波の研究をしていました。その技術が、戦後医学のために利用されたわけです。
 ドイツで最初に作られた装置では,患者さんは,お風呂の中で治療を受けます.水中に置いた電極に二万ボルトの電圧をかけ,火花を起こさせます.水中で稲妻を作るようなものです.そうすると,水が瞬間的に水蒸気となり,衝撃波を起こします.ジェット機が音速を超えるとき,飛行場周辺の家の窓ガラスを割るほどの音を出しますが,あれが衝撃波です.水蒸気が音速よりも早く膨張するために衝撃波が起こるのです.その衝撃波を,水を介して体内に伝えて,結石を少しずつ砕いていきます.
 電極の後ろには楕円形の反射板があり,電極は楕円形の近い方の焦点(ここで数学の復習.楕円とは二点からの和が等しい点の集合)に置かれていて,ここから発射された衝撃波は楕円面で反射して,もう一方の焦点に集まります.
 衝撃波は音速が違う物質の境界面で,エネルギーを放出します.空気中の音速は340mなのに対し,水中は1500mです.体も70%は水分で出来ており体内の音速も1500mです.このため,水中で発生した衝撃波は体をす通りし,結石に作用します.
 お風呂に入らなくても良い最近の装置では,患者さんはベットにうつ伏せになり、背中に衝撃波発生装置を密着させます。この場合も,衝撃波は水中で作られ,水の満たされたゴム袋を体に密着させます.ゴムと体表の間に空気があると衝撃波が通りませんので,ゼリーを塗ります.結石が焦点にあるかどうかを超音波かX線で確認してから衝撃波を発射します。麻酔は原則不必要なので、治療後すぐ歩けますし、食事もとれます。粉々になった尿に混ざって数日中にでてきます。
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